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1 制度内救済-①返還期限の猶予-

1 制度内救済-①返還期限の猶予-

①返還期限の猶予

Q 3月に大学を卒業しましたが、新卒採用されず現在も就活中です。アルバイトをしていますが、収入が少なく、機構の奨学金を二つ借りていたので返還額が大きく返還できそうにありません。奨学金の返還を一定期間猶予してくれる制度はありますか。
A 一定の返還できない事情があるとき、願い出と証明書を提出して、返還を一時停止して先延ばしする制度(返還期限の猶予制度)があります。返還期限の猶予が認められると、猶予期間中は利息と延滞金が発生しません。一度の願い出で最大1年間猶予することができます。
全額を猶予する方式と半額だけ猶予する方式があります。
第1種と第2種の両方を利用している場合、金額を合計して返済期間を延ばして(最長20年)毎月の負担額を減らす方法や、一時的に片方の奨学金のみ猶予を申請する方法もあります。

(解説)返還期限の猶予
・期間;通算で60ヶ月(5年)が限度。ただし災害、傷病、生活保護受給中、産休
・育休中、大学等在学、海外派遣の場合は制限なし
・「経済困難」認定の所得;給与所得者は年収(税込)が300万円以下、その他は年間所得(必要経費等控除)が200万円以下が目安
・必要書類;猶予願用紙は機構HPから入手可。
 →必要書類は機構のHPで確認
 (返還期限の猶予がなされる場合)
 要返還者(本人)が災害又は傷病により返還するのが困難になったとき
 高等学校、高等専門学校、大学、大学院、専修学校の高等課程などに在学している場合
 外国の学校にて在学又は研究に従事している場合
 生活保護を受けているとき
 その他やむを得ない事由により返還が著しく困難(失業、経済困難。原則として給与所得者は年収300万円以下、それ以外の所得者は年収200万円以下だが、例外あり)
 特に優れた業績による返還免除を願い出たとき
 産前産後の休業期間、育児休業期間などで返済が著しく困難になったとき
 青年海外協力隊などによる海外派遣の場合
 その他法令に基づく事由により返還できない場合

Q 5年前に失職し、その後、派遣社員等で年収200万円以下となり、奨学金が返せないまま延滞状態が続いていました。支払いが困難であった時期に遡って返還期限の猶予を受けることはできますか。
A 過去に返還期限の猶予に該当する事由があれば、過去にさかのぼって猶予申請をすることになります。
但し、これには様々な利用上の条件があるので注意が必要です(後記「※」参照)。

(解説)複数年の猶予申請
奨学金返還期限猶予願は1年ごとに証明書を添えて願い出が必要です。
複数年猶予を希望される場合は、延滞が始まった年月から1年ごとに「返還期限猶予願」と「所得証明書」等事由に合った証明書を添付して願い出ていただくことにより審査を致します。ただし、猶予期間は災害・傷病・生活保護受給中等の場合を除き通算5年(60ヶ月)が限度です。

(例)2008年6月分から延滞、2012年5月まで4年間を経済困難で猶予希望
(猶予後の返還開始期日2012年6月)猶予願は4枚必要(1年ごとに作成)
 希望猶予期間
  (1)2008年6月から2009年5月まで
  (2)2009年6月から2010年5月まで
  (3)2010年6月から2011年5月まで
  (4)2011年6月から2012年5月まで(12ヶ月以内の希望する月まで)

※延滞の解消が必要
過去に遡って返還期限の猶予を申請する際に、遡って返還期限の猶予をしても解消されない延滞金がある場合には、その延滞金を支払って延滞を解消しなければ、猶予の審査を受けられない扱いがなされているようです。
「内規」と呼ばれる非公表の基準によってそのような扱いがなされているとのことであり、不当だと思われます。

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