奨学金問題対策全国会議

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「所得連動返還型奨学金制度」に対する意見書

「所得連動返還型奨学金制度」に対する意見書

「所得連動返還型奨学金制度」に対する意見書

2016年2月15日

文   部   科   学   省  御中
所得連動返還型奨学金制度有識者会議委員各位

奨 学 金 問 題 対 策 全 国 会 議
共同代表 大  内  裕  和
   同 伊  東  達  也
事務局長 岩  重  佳  治

第1 はじめに

私たち奨学金問題対策全国会議は、奨学金の返済に苦しむ人たちの相談・救済活動を行いながら、真に学びと成長を支える学費と奨学金制度の実現を目指して活動を続けている研究者、法律家、教育関係者その他の市民からなる団体です。

独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」)の学資金貸与制度については、「所得連動返還型奨学金制度」(以下「新制度」)の導入に向け、「所得連動返還型奨学金制度有識者会議」(以下「有識者会議」)において議論が進められ、2016年2月10日に「新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について」(第一次まとめ)(素案)(以下「素案」)が示されました。

相談・救済活動の現場からも明らかになった、現在の機構の学資金貸与制度の実態は、奨学金とは名ばかりの「学生ローン」であり、学びの機会を保障して、人生を支えるはずの奨学金であるべきはずのものが、逆に、困難を抱えた人を経済的・精神的・肉体的に更に追い詰める深刻な状況となっています。
返済の大きな負担は、自由な職業の選択、結婚や出産・子育て、親元からの独立といった大切な人生の選択肢を大きく制限する結果を生み、大きな社会問題となって、連日のように報道がなされています。
下村博文前文部科学大臣も、「今は奨学金というよりも、学生ローンになっている。」として、制度の改善の必要性を強く指摘しています。

所得に応じて返済額が決定する所得連動返還型奨学金は、利用者の返済資力に応じた無理のない返済制度が実現されれば、真に奨学金と呼べる制度に近づくための大切な一歩となり得るものであり、当会議も、そのことを強く求めるものです。

しかし、素案では、年収0円から返還を開始することが適当であるとされ、返還猶予制度の申請可能年数は通算10又は15年とされ、最長の返済期間については、返還完了若しくは本人が死亡または障害等により返還不能となるまでとされるなど、低所得者が生涯にわたって無理または過大な負担を強いられる危険が極めて高く、また、返還者が被扶養者となった場合には、扶養者の収入を勘案して返還額を決定すべきであるとされるなど、あまりにも多くの問題点があります。

新制度の制度設計は、利用者の人生を大きく左右し、公的奨学金制度の今後のあり方にも多大な影響を与えることが予想されるところ、このような重大な問題点を抱えながら、2017年度からの適用を急ぐあまり、十分な議論が尽くされないままに新制度が導入されれば、今後に大きな禍根を残すことになります。

有識者会議の議論は、①機構の学資金の返済の負担にあえぐ人たちの窮状、及び「返還期限の猶予」制度など機構の学資金貸与制度とその運用の実態についての認識が全くと言ってよいほど欠けていること、②「所得連動型無利子奨学金制度」という、その実態は返還期限猶予制度の一変形に過ぎず、所得連動返還型とはおよそ関係のない制度を出発点に議論が進められていること、③利用者側の実態に通じた団体や個人の意見を聞かないまま、利用者不在で、議論がなされていること、④最初から2017年度の予約採用者への適用ありきで、それに間に合わないからなどという理由で、不十分かつ拙速な議論に終始していることなど、あまりにも大きな問題があります。

よって、当会議は、このような有識者会議の議論のあり方に対して猛省を促すとともに、改めて本議論の問題点を指摘し、新制度が、真に利用者負担を軽減し、不安を払拭し、学生ローンの実態を有する機構の学資金貸与制度から、奨学金の名に値する制度に少しでも近づくための一歩となるよう、本意見を述べるものです。

なお、当会議は、民主的な議論を実現する観点から、本意見書及び添付資料を有識者会議の配布資料として頂き、十分に検討をした上で、以後の手続きを進めるよう求めます。
説明等が必要な場合には、当会議は、いつでも協力する意思と用意があることを申し添えておきます。

第2 意見の趣旨

1 所得の低い人に返済を求めることはしないで下さい。
特に、税の支払義務がない人にまで支払いを求めることは、言語道断であり、絶対に止めて下さい。
閾値は、現在の「返還期限の猶予」制度の基準である金額(給与所得者は年収300万円、それ以外は年間所得200万円)以上として下さい。

2 仮に、上記実現までの間、一部、申請により返済を猶予する「返還期限の猶予」制度に頼らざるを得ない場合は、最低限、以下のような制度にして下さい。

① 「返還期限の猶予」制度の利用が、学資金の貸与を受けた人の「権利」であることを法律で明記し、独立行政法人日本学生支援機構の裁量による利用制限を認めないようにすること。

② 救済制度の適用が不承認となった場合に、第三者機関がこれを審査する公平な異議申立制度を設けること。

③ 学資金の申し込み、採用、貸与、返済、督促など全ての段階において、機構に対し、猶予制度その他の救済制度にについて教示し、利用の支援を行う法的義務を課すとともに、救済制度の申請手続きを最大限簡素化すること。

④ 利用可能基準額は年収300万円(給与所得者以外は年間所得200万円)を下らないようにすること。

⑤ 猶予の利用期間に制限を設けないこと。

⑥ 猶予を過去に遡って申請・適用できるようにすること。

3 延滞が生じまたは生ずるおそれがある場合の救済を充実させて下さい。
その際、最低限、以下のことを法規で定めるなどして、これを機構に遵守させて下さい。

① 返済方法の組み直しに柔軟に応じること。

② 延滞金の減免に柔軟に応じること。

③ 延滞があることで救済制度の利用を制限しないこと。

④ 返済期限未到来の割賦金の繰り上げ一括請求は絶対にしないこと。

4 最長の返済期間または年齢を定め、その余の返済を免除して下さい。

5 返済額は返済者の収入のみによって決定し、扶養者の収入を勘案しないで下さい。

6 保証は付さないで下さい。
仮に、当面の間、何らかの保証を付さなければならないとしても、その場合には、以下の対応をして下さい。

① 人的保証については、保証債務を履行することが困難な保証人に対する救済制度を充実させ、保証人からの債権回収について適切なガイドラインを作ること。

② 機関保証については、保証料の負担を軽減するとともに、代位弁済後の求償債権の支払いが困難な人に対する救済制度を充実させ、機構に債権がある場合に比べて返済者に不利にならないようにすること。
機構が、回収率を上げまたは維持するため、若しくは回収率の低下を回避するために安易な代位弁済の請求をすることがないよう、制度上の措置をすること。

第3 意見をする理由

1 閾値の設定と低所得者からの回収の禁止、返還期限の猶予によることの限界と仮に猶予制度による場合の制度のあり方

(1) いわゆる所得連動返還型の奨学金制度では、いわゆる「閾値」を設け、それ以下の所得の人には返済を求めないのが通常です。
よって、新制度においても、閾値を設定し、それ以下の人に対しては返済を求めないようにすべきです。
現在、機構の学資金貸与制度では、給与所得者で年収300万円以下、その他では年間取得200万円以下の人は、経済的に困難な状況にあるとして、返還期限の猶予が認められていること、相談の現場では、それでも苦しいと訴える人が少なくないことから、閾値はそれ以上の金額とすべきです。

(2) しかし、素案では、「年収0円から返還を開始することが適当である」とされ、最低返済額については「2,000~3,000円程度で検討することが適当である」とされています。
これは、たとえ収入がない人にも返済を求めるものであり、およそ所得連動返還型奨学金制度と呼べるものではありません。
特別な資産でもあるのでなければ、収入がない人が支払いをできるはずもなく、たとえ2,000円~3,000円という額であっても、所得が少ない人にとっては極めて大きな負担です。
有識者会議で示されたシミュレーションによれば、例えば、定額返済で返済月額が14,400円であった人が、新制度では年収300万円で月額8,500円になり、年収400万円では月額13,100円に負担が軽減できるとされ、素案は、そのような制度が「奨学金の返還に対する不安及び負担の軽減を図るものであり、奨学金制度の充実・改善のための画期的な方策である」としています。
これは、年収300万円、400万円の人にとって、たとえ毎月数千円の違いであっても、返済に大きな負担が生ずることを指摘するものです。
それなのに、有識者会議では、それよりも大幅に収入が低い課税対象所得0円(年収113万円)程度までの人を想定し、収入0円を含むそのような人たちについて、月額5,000円では重すぎる、月額2,000円にして負担を減らすべきであるなどという議論がなされ、支払いをしなくてもよいという意見に至らないのは、滑稽というほかありません。

有識者会議では、「返還月額が2,000円~3,000円となることが想定される者の例」として、専業主婦(夫)、ニート・フリーター、パートタイム労働者(年収約150万円以下)、定年退職者(65歳以上)(※上記のうち、被扶養者となっている場合を除く)が挙げられていますが、もし、契約当事者でもない他の人からの支援を想定しているとすれば極めて不当であり、単身で暮らし、または他にも扶養しなければならない家族がいるようなこれらの人たちにも支払いを求めるのであれば、言語道断です。

素案は、年収が0円から返済を開始することが適当であるとする理由について、「奨学金制度全体を維持する観点からも」としていますが、所得連動返還型奨学金制度においては、返済者の返済余力に照らして適当かという観点から返済額が定められるべきであり、奨学金事業の採算が優先されるべきではありません。

素案は、「契約関係が継続していることを確認し、返還者の奨学金返還に対する意識を継続させるという観点」などから、収入が0円の人を含む低所得者にも一定額の返済を求めることが望ましい、ともしていますが、そのような理由で、苦しい状況にある人にまで返済をさせるというのは論外です。
契約関係の確認は、通知や確認文書のやり取りで十分可能であり、自覚をさせるために、困難な支払いをさせるべきではありません。

なお、このように無謀な議論が行われている背景には、どうやら、消滅時効についての法的に誤った指摘と理解があったようであることが報告されていますが、それが事実だとすれば、極めて重大な問題です。

有識者会議においては、所得連動で閾値以下の場合、請求しないのかという論点について、機構の顧問弁護士から、以下のような発言があったとの指摘がありますので、必ずご確認下さい(なお、有識者会議の記事録が、未だにごく一部しか開示されていないのは、異常な事態だと考えます)。
その発言とは、以下のとおりです。

「所得0でも請求しないと時効の問題が生じる。申請主義で時効を回避する必要がある。10年以上連絡しないと返還する意識もなくなる。1,000円~3,000円ずつでも返し続けるべき」

仮に、このような発言があったとすれば、法的には完全な誤りです。

そもそも消滅時効は「権利を行使することができる時」から進行するものであり(民法166条)、機構の学資金貸与制度の場合は、消滅時効期間は各回の約定返済期限から進行し、そこから10年の経過によって時効が完成します。
閾値を設け、それ以下の所得の人は返済を要しない制度とすれば、その人は未だ契約上の返済期限が到来していませんから、消滅時効の時効期間は進行せず、時効の問題は生じません。

もし、上記のような誤った発言が、収入がない人にも原則として支払いをさせるという制度設計に影響しているとすれば、極めて重大な問題であり、当会議は、これに強く抗議します。

念のために付言すると、時効が中断する場合としては、返済を請求したり、借り手が債務を承認する場合などがあります(民法147条1項、3号)、債務を承認する方法としては、申請や支払いをすることのほかにも、債務者から確認書を取得するやり方もあり、これは、10年の時効期間が経過する前に、一度だけ行えば足ります。
したがって、債務を承認させるために、所得がない人にまで原則として毎月無理な支払いをさせる必要はどこにもありませんし、申請主義を採る必要もありません。
もともと、時効については、機構のずさんな管理が指摘されていたところ、機構が、自らの債権管理責任を果たすことを放棄して、借り手に無理な返済をさせることで済ませようとしているのなら、極めて大きな問題です。
あまり言いたくはありませんが、返済が困難な人からも少額の返済をさせることで消滅時効の主張を封じるという方法は、サラ金などがよく取る手段です。

(3) 素案では、経済的困難にある人には、申請による「返還猶予制度」で対応することが検討されており、その場合の申請可能所得として年収300万円以下が検討されています。
しかし、「返還猶予制度」では、返済困難者が事実上返済を強いられる危険が極めて高く、救済制度たり得ません。
以下、その理由を詳細に述べます。

ア そもそも、返還期限の猶予制度についての機構の立場は、同制度は利用者の権利として認められているものではなく、どんな場合に猶予をするかしないかは「機構の裁量」であるというものです。
その理由について、機構は、規則には「猶予する」とは書いておらず、「猶予できる」と書いてあるからだと説明しています。

後述するとおり、機構は、延滞者に対する猶予制度の利用を制限する、正当な法的権利であるところの消滅時効の援用をした者には猶予の利用を制限するなど、不当で恣意的な救済制度の利用制限を堂々と行い、返済困難者を追い詰めていますが、その際に機構が理論的根拠とするものが、猶予制度は機構の裁量であるという主張です。

以下は、機構に対して延滞据置型の返還期限猶予申請をした人が、消滅時効を援用したことを理由に、猶予を不承認とされた実際の訴訟手続において、機構の顧問弁護士が、それを正当化するために書面で主張した文章の引用です。

「かかる取扱いは、返還期限猶予自体が、原告の裁量により認められるものであるところ、原告の裁量の範囲内の取扱いとして行っていたものである」

「そもそも、どのような場合に猶予を認めるかどうかは、猶予する者の裁量の範囲内であり」

「猶予の効果は原告の意思表示により生じ、文言上も「できる」とされているにとどまる」

「そもそも猶予制度自体が、原告が設けた制度であり「時効を援用しながら、猶予を申請する」という当然の権利があるわけでもなく」

上記で「原告」とは機構のことです。

機構の立場は、要するに、返還期限の猶予という救済制度は、利用者に権利として認められているものではなく、機構が特別に設けてあげたものであって、その内容と運用は全て機構の手に委ねられているというものです。
しかし、貸し手の裁量でどのようにでもできる制度なら、それは、およそ救済制度としての意味がありません。

そして、実際に、以下のような不当で恣意的な猶予制度の利用制限がなされています。

(例1)
例えば、返還期限の猶予制度は、延滞がある場合には、その元金と延滞金を全て支払って解消しなければ、猶予制度の利用が制限されます。
返済ができないからこそ延滞が生じるのに、延滞を解消しなければ救済しないというのは明らかに不当です。
これについて、機構は、制度を速やかに申請していれば、延滞は生じないなどと反論することがあります。
しかし、制度の建て付け自体が必ずしも十分ではないことに加え、制度の周知は極めて不十分であるといわざるを得ません。
また、制度は極めて複雑であり、自分が救済されると思えなければ、進んで申請しようともしないでしょう。
申請手続きも極めて煩雑です。
猶予の基準に該当しても、頑張って返そうと無理をしているうちに、延滞が生ずることもあります。
その場合に、過去に遡って猶予の申請しようとすれば、市町村等の所得証明の提出を求められますが、通常、その保管期間は5年程度とされているために、猶予が受けられないケースが多発しています。

なお、機構は、延滞が生じた人に対して、約定の返済期限が到来していない割賦金についても、それを含めて一括請求をするという、いわゆる「繰り上げ一括請求」をしています。

これに関して、独立行政法人日本学生支援機構法施行令第5条4項は、「学資金の貸与を受けた者が、支払能力があるににもかかわらず割賦金の返還を著しく怠ったと認められるときは」「その者は、機構の請求に基づき、その指定する日までに返還未済額の全部を返還しなければならない。」と定めていますが、機構は、明らかに返済能力がない人に対しても、繰り上げ一括請求をしています。
これについて機構は、連絡もなく、救済制度も求めない者は、支払能力があるものと認めざるを得ないと説明していますが、乱暴というほかありません。
このような繰り上げ一括請求が同施行令違反であることは明らかであり、繰り上げ一括請求は直ちに止めるべきです。
このような請求がなされれば、請求された多額の元金に加えて多額の延滞金が賦課されることになり、延滞の解消は益々困難となって、猶予制度の適用は更に制限されてしまいます。
なお、機構が、訴訟等で繰り上げ一括請求をする場合、相手方が指摘しない限り、機構は、上記施行令には一切触れませんし、書面にも引用しません。

(例2)
上記のように、延滞がある人に対して猶予制度の利用を認めないことに対しては、社会的批判がとても強く、2014年4月からは、年収200万円以下などを基準として、一部、延滞を据え置いたままでの返還期限の猶予が認められるようになり、延滞した人に対する救済の途が開けたかと思いました。

ところが、機構は、その後の2014年12月26日、「返還期限猶予制度の運用に関する取扱要領」を理事長決裁で定めて、機構が法的措置を実施した人や、機構に(正当な法的権利であるはずの)消滅時効を援用した人に対しては、延滞据え置き型の返還期限の猶予制度の利用を認めないこととし、その制限を、同制度が導入された同年4月に遡って適用することとしました。
注目すべきは、同取扱要領の決定以前に猶予申請をした人についてまでも、後から設けた制限を遡って適用し、時効を主張したことなどを理由に申請を不承認とするという、いわば「後出しジャンケン」とも言うべき極めて不当な対応が堂々となされていることです。
そして、機構がそのような不当な対応を正当化するのが、猶予は利用者の権利ではなく、機構の裁量によるものだという、実に身勝手な理屈です。

以上のとおりであり、現状では、返還期限の猶予制度は、そもそも救済手段たり得ないことは明らかです。

それでも、どうしても返還期限の猶予制度で対応しようとするなら、その不可欠の前提として、まず、第一に「返還期限の猶予」制度の利用が、学資金の貸与を受けた人の「権利」であることを法律で明記し、機構の裁量による利用制限を認めない対策を取ってからにして下さい。
そして、第二に、救済制度の適用が不承認となった場合に第三者機関がこれを審査する公平な異議申立制度を設けて下さい。

イ 次に、猶予を認めるといっても、そもそも素案では、申請可能年数が通算10年(または15年)と限られています。これでは、低所得の人であっても、10年を過ぎれば猶予がされません。

奨学金申請時に、保護者などの家計支持者の年収が300万円以下の人については、期間制限なしとすることも検討されていますが、有識者会議でも指摘されているように、実際に返済するのは奨学金の貸与を受けた本人であり、保護者等の収入によって制限を受けるべきではありません。
家計支持者の年収を考慮する考え方は、悪しき家族主義によるものであり、学費をすべて本人や親に負担させようというそのような考え方こそ、現在の問題を招いている根本的な要因です。
実際上も、保護者等の年収が年収300万円であるから支援が可能であるなどという考えは、一般の市民感覚から大きく逸脱するものであり、また、家計支持者の年収が上記金額を超えていても、現実に支援を受けていない場合にまで、猶予期間に制限を受けることになって著しく不合理です。
加えて、奨学金申請時と猶予を求める時点では、家計支持者の年収は変化していることにも照らせば、奨学金申請時の年収を基準とすることにも問題があります。

これについては、有識者会議において、機構の担当者と顧問弁護士から、生活保護を受給する人などは、一般猶予の制度において、無期限の返還期限の猶予制度があるとの発言がありました。
もし、機構や機構の顧問弁護士が、所得の低い人は、生活保護を理由に無期限の猶予を利用すればよいと考えているとすれば、それは明白な誤りです。

そもそも、生活保護基準以下のようなぎりぎりの生活でなければ無期限の猶予を認めないということ自体が、借り手を人として尊重していないことの明白な証拠ですが、それ以前に、我が国の生活保護制度の実態についての認識が全く欠けたまま議論がなされていることは、深刻であると言わざるを得ません。

我が国では、生活保護の補足率は20%程度とされており、要保護状態にある人の多くが生活保護を受給できていないという実態があります。
これは、生活保護を受給することに対するスティグマや、誤解または悪意に基づく社会的バッシングが強いことに加え、要保護状態にある人を、様々な理由をつけて相談だけで追い返す、いわゆる「水際作戦」などが横行していること、親族への調査を嫌って、申請を断念する人が多いこと、たとえ地方でも自動車の保有が原則認められないなど制度上様々な問題があること、違法または行き過ぎた就労指導・就労強制がなされていることなどによるものです。このような状況の中では、生活保護受給を理由とする返還期限の猶予制度の利用には、大きな限界があります。
加えて、生活保護を受給するかしないかは、基本的に本人の自由な意思を尊重すべきものであって、要保護状態の所得であっても、自らの意思で申請しない人を救済から排除するのは明らかに不当です。

猶予の利用期間に制限を設ければ、期間経過後は、どんなに所得の低い人でも支払いを免れません。
10年あれば、15年あれば支払いができるようになるだろうなどというのは、現在の低賃金・不安定労働の飛躍的な拡大、格差と貧困の拡大、貧困のもたらす様々な不利益の蓄積と連鎖など、困難を抱えた人の窮状と、問題の深刻さについての認識と想像力を全く欠いた無責任な態度です。

どうしても猶予で対応するというなら、猶予の期間を制限すべきではなく、無制限とすべきは当然のことです。

ウ 次に、申請主義によることの問題です。
救済制度を申請によって認める場合の最大の問題は、困難を抱え、真に救済を必要とする人ほど、救済から漏れる危険が高いことであり、これは常識の範囲内のことです。

精神的・肉体的な困難を抱えた人や、経済的に困難を抱えた人、孤立した状態にある人など、困難を抱えた人は、情報に接することが困難であり、また、時間、労力、金銭、その他の問題から、複雑な申請手続を行うことにも困難を伴います。
当会議では、返還期限の猶予申請などの支援も行っていますが、ごく普通の人ですら、自分一人では到底対応できなかった、一人ではきっと途中で心が折れていたなどの感想を述べています。
困難を抱えた人であれば、尚更のことです。

そもそも、制度自体がきちんと周知されていません。
機構の調査でも、利用者の半数以上の人が返還期限の猶予制度の存在自体を知らないことが明らかにされています。
制度を正確に理解している人は皆無に近いと言ってよいでしょう。
これについては、説明や周知を充実させれば済むという安易な考え方がなされる可能性がありますが、現状では無理です。
現在の制度では、返済に困った人は、機構の「奨学金返還相談センター」に相談することになりますが、同センターの運営は外部委託されており、日々極めて多くの相談が寄せられて電話が通じなかったり、毎回はじめから説明を繰り返さなければならなかったり、制度が極めて複雑で、運用がその都度変えられることもあって、相談窓口等で適切な対応がなされているとは到底言えない状況にあります。
まず、これらの問題を解決すること自体が、大きな課題として、目の前に立ちはだかっていることを認識すべきです。

この問題への対応は、機構の自主的な周知と説明に期待するだけでは到底足りません。
学資金の申し込み、採用、貸与、返済、督促など全ての段階において、機構に対し、猶予制度その他の救済制度について教示し、利用の支援を行う法的義務を課すべきです。
また、救済制度の申請手続きは、最大限簡素化すべきです。

なお、申請を前提とする以上、猶予基準に適合した者であっても、申請漏れの危険は常に存在し、また、猶予をせずに支払おうと思ったけれど、実際には困難であったために延滞に陥るケースが想定されます。
その場合、現在の制度を前提とすれば、延滞金が重い負担となってしまいます。
よって、過去に遡って猶予を申請し、適用することを認めて、延滞を解消する途を作るべきです。

(4) 小活
以上のとおりであり、返還期限の猶予申請での対応には大きな限界があります。
したがって、返済余力に応じた返済制度の実現は、閾値を設定することによって行うべきです。
仮に、当面の間、どうしても、一部を猶予申請に頼らざるを得ない場合には、最低限、上記で指摘したような制度を実現して下さい。

なお、いずれの場合であっても、基準となる所得は、返済者個々の生活状況にも配慮し、扶養家族の人数・住居費・医療費等の必要な家計支出を勘案できるようにするとともに、急激な家計状況の悪化にも柔軟に対応できるようにして下さい。

2 延滞に対する救済

有識者会議では、新制度において延滞が生じた場合、または生ずるおそれがある場合の対応について、全く議論がなされていません。
もし、所得に応じた返済額を定めるのだから、延滞はまず生じないであろうと考えているのであれば、それは大きな間違いです。

確かに、所得連動返還型奨学金制度は、経済的困難を理由とする延滞の防止を図ることも目的としていますが、実際の制度設計が利用者の実情に適合しているとは限らず、上記に述べたとおり、現在の議論における制度設計では、返済困難者に無理な負担を強いることになるのは必須です。
延滞への対応は、重要な論点であるはずです。延滞に関わる現在の制度上、運用上の問題点と利用者の実情を十分に把握、検討した上で、延滞が生じた場合、または生ずるおそれがある場合の救済を充実させるべきです。

そのためには、まず、返済者の置かれた状況に応じた返済方法の組み直しに、柔軟に応じるべきです。

延滞金の減免にも、柔軟に応じるべきです。
現在の「延滞金の減免に関する施行細則」では、減免事由が極めて限定されており、実際にも、延滞金が減免させるケースはほとんどと言ってよいほどありません。
機構の学資金貸与制度では、延滞金の負担の軽減を求める相談が、消費者金融などに比べても格段に多いのが特徴であり、新制度においても、この問題を解消すべきです。

また、返還期限の猶予、減額返還、返還免除など、返還困難者に対する現在の救済制度を新制度の利用者にも適用した上で、延滞があることでこれらの救済制度の利用を制限しないようにすべきです。

返済期限未到来の割賦金の繰り上げ一括請求を直ちに止めるべきことは、既に述べたとおりです。
機構は、連絡もなく、救済制度も求めない者は、支払能力があるものと認めざるを得ないという極めて乱暴な理屈で、支払能力のない人に対しても、法施行令第5条4項に明らかに反する繰り上げ一括請求をしていますが、このような運用実態に照らせば、所得連動返還型奨学金制度では、制度が利用者の返済余力を適切に反映していないことによって延滞が生じた場合でも、所得に応じて決定した返済額については支払能力があると認めざるを得ないなどという口実で、乱暴な繰り上げ一括請求がなされる危険が更に高まる危険があります。
繰り上げ一括請求は、もともとその基準が明確でないことにも問題があり、これを直ちに止めるべきです。

なお、上記各事項ついては、必要な法的措置を行った上で、これを機構に遵守させて下さい。

3 最長の返済期間

所得連動返還型奨学金制度では、所得の少ない者は毎回の返済額が少なくなることに伴い、完済を前提とする場合には返還期間が長期化し、場合によっては、生涯にわたって返済を続けなければならないという事態も生じる危険を有しています。
そのため、諸外国の例では、返済開始から一定期間経過した後または一定の年齢に達したときには、残額を免除するという最長返済期間を設けていることが多く、アメリカでは10年から20年、イギリスでは30年間または65歳などとなっています。

これに関して、素案では、返還期間を、返還完了までまたは本人が死亡または障害等により返還不能となるまでとし、つまりは死ぬまで返済させるとしています。
しかし、本来、人生を支えるための奨学金の返済のために、利用者を一生借金漬けにするというのは、明らかな背理です。

仮に、返還期限の猶予に期間制限を設けない場合でも、猶予制度は、支払いの先延ばしに過ぎません。
猶予を受け続けながらも、最長の返済期間または年齢が設けられないことによって、先が見えないことへの不安や苦痛を涙ながらに訴える相談者も少なくありません。

また、少ない収入の中から、返しても、返しても返済が続くのであれば、貯蓄も叶わず、様々な出費に対応することも、将来に備えることもできません。

そもそも、学費の負担を、多額の借金をさせるという形で個人に負わせること自体が問題であり、負債を抱え続けるという不安と苦痛がどれほど大きなものかを考えれば、個人に負担させた学資金の返済につき、終わりが見えない負担に縛られる事態は絶対に避けなければならず、最長の返済期間の設定は必須です。
この場合、返済期間の長期化は、返済の負担が次世代の養育費用に まで尾を引くこととなり、貧困の連鎖を助長する危険があることに照らせば、当初検討されていた35年または65歳までという案でも長すぎるというべきです。

最も問題なのは、有識者会議の議論において、制度設計が間に合わないという理由で、返済期間が現行どおりとされた点です。
そのことは、素案で、「返還免除を行うために法律改正が必要となることから、平成29年度からの導入は困難である。」とされていることからも明らかです。
しかし、そもそも、十分な議論と制度設計がなされないまま、2017年度からの導入ありきで拙速な導入を急ぐこと自体が大問題であり、間に合わないから、今のままで仕方がないというのは論外です。

これについては、有識者会議においても、返済期間の問題は、返還期限猶予の期間とも連動するものであり、後者の議論が決まらないと前者も決められないというような議論がなされていました。
そのような議論の結果、現行のままで行こうとの集約が見切り発車でなされたことは、極めて遺憾です。
もともと、返済期間を35年とする案は、現行の最長の約定返済期間、並びに最長猶予期間及び減額返還期間に基づいて検討されたものですが、最長の返済期間をどうするかは、必ずしも現行制度との関係で論じなければならないものではなく、むしろ、利用者の負担軽減の観点から制度設計がなされるべきであるはずです。

なお、最長の返済期間等を設けることについては、社会人の学び直しや、高齢になってからの申し込みがなされる場合の問題が指摘されていますが、これについては、一定年齢以上の者に対しては所得連動返還型の利用を制限するなどの工夫により対応が可能であり、そのような制限による不都合については、別途対応を検討すべきです。

4 扶養者の所得

素案では、返済者が被扶養者になった場合には、扶養者のマイナンバーの提出を求め、提出がありかつ返済者と扶養者の収入の合計が一定額を超えない場合のみ、新制度による所得連動型の返還を認めるとして、いわゆる家族主義の立場を取っています。
そして、返済能力がないという状況を自ら作り出すといったモラルハザードが生じないような制度とする観点からは、被扶養者のみの収入により返還額を設定する仕組み(個人主義)とすることは適当でないとしています。

しかし、契約上の返済義務者でない者の所得も含めて返済額を決定するということは、事実上、契約当事者でもない扶養者にも返済を強いることになり、不当です。
また、本人の所得が変わらないにも関わらず、結婚などによって被扶養者になった途端に返済額が増加し、または定額の返済を求められるというのは不合理です。
加えて、家族には、事実婚や同性のパートナーなど様々な形態があるのであって、法律上の被扶養者だけに家族主義を適用するのも公平ではありません。
したがって、返済額は、返済者の収入のみによって決定すべきであり、扶養者の収入を勘案すべきではありません。

そもそも、扶養とは、生活の支援を意味するものであり、被扶養者の借金の返済を扶養者が支援することなど想定していません。
比較的強い扶養の義務がある夫婦間であっても、民法は完全な財産分離制を取っており、例外的に、夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と取引をして負った債務についてのみ、連帯責任を負うこととして、その責任を明確に限定しています。
まして、学資金は、ほとんどが結婚をする前に借りるものであり、日常の家事とは全く関係がありません。
家族主義の考え方は、家制度を廃して、個人を中心に据えた現在の家族法の基本理念にも大きく反するものです。

なお、素案では、扶養者のマイナンバーの提出は任意とされていますが、他方で、提出をしなければ定額返還型での返還とするとされており、所得連動型の返還制度を利用しようとすれば、扶養者のマイナンバーを提出せざるを得ず、意思決定の自由を制限することになります。
また、この場合、被扶養者は、扶養者がマイナンバーの提出に協力しなければ制度の利用を制限されることになりますが、契約当事者でない者の対応によって制度の利用が制限されるのは不当であるばかりか、被扶養者が了知した扶養者のマイナンバーを、扶養者の承諾なく提出してしまう事態をも招く危険があります。

しかるに、中間まとめ素案は、プライバシーの保護など、マイナンバー制度の抱えるリスクについての認識をも決定的に欠くものであり、不当です。

5 保証

保証は、人的保証、機関保証のいずれであっても付すべきではありません。

人的保証については、機構の学資金が、主債務者の将来の返済能力が分からない状態で貸与され、一般に借入金額が大きく返済期間が長期に及ぶこと、多くの場合に連帯保証人になるのは親などであるところ、もともと家庭の収入が限られた学生に貸与されること、保証債務の履行を求められるときには、保証人は既に高齢である場合が少なくないことに照らし、通常に比して、保証人の負うリスクが非常に高いことや、保証人への影響をおそれて主債務者が自己破産を選択することを制限されることから、保証人を求めるべきではありません。
所得連動返還型奨学金制度では、延滞の危険は、制度設計次第では一定程度軽減することが期待されますが、制度の設計を誤れば、その効果は限定的なものになる危険があり、また、主債務者の所得が低い場合には、それだけ返済期間が長期化することになります。
したがって、人的保証は、絶対に止めるべきです。

仮に、所得連動返還型奨学金に限らず、学資金の貸与について人的保証を残さざるを得ない場合には、直ちに、保証債務の履行が困難な人に対する救済制度を整備すべきです。
現在、極めて不十分ながら存在する返還期限の猶予や返還免除制度は、主債務者の状況に応じて適用されるものであり、保証人の状況を考慮したものではありません。
これは制度の大きな欠陥です。
また、保証人への回収が土地建物などの生活手段にまで及ぶことのないよう、生活を脅かすことのないよう、保証人からの債権回収について、適切なガイドラインを作るべきです。

この点、素案は、新制度では機関保証を原則とするとしています。

しかし、機関保証においては、保証料の負担が利用者に重くのし掛かっています。
もともと、父母等の連帯保証人を得られない子どもは、親や親族から経済的援助を受けられない子どもが多く、そうした子どもにとって機関保証の保証料は大きな経済的負担となります。
したがって、機関保証も含めて、保証自体を不要とすべきです。

仮に、機関保証による場合には、保証料の負担を軽減するとともに、代位弁済後の求償債権の支払いが困難な人に対する救済制度を整備し、少なくとも、機構に債権がある場合に比べて返済者に不利にならないようにすべきです。

また、機関保証では、機構が、回収率を上げるために、若しくは回収率の低下を回避するために、安易な代位弁済の請求を行う危険があることにも注意すべきです。
代位弁済がなされれば、帳簿上から延滞は消えますが、延滞者は、依然として保証会社に債務を負担したままです。
この場合、安易な代位弁済の請求によって、表面上の回収率を上げ、資金調達コストを下げようとする動機が働くことに留意すべきです。
それは、返済者の状況に応じた柔軟な対応をする努力を怠ることにも繋がります。
したがって、そのような事態を防ぐための制度上の措置をする必要があります。

そもそも、所得連動返還型奨学金制度は、返済額を返済可能な範囲にとどめて利用者の負担の軽減を図るとともに、これにより、経済的困難を理由とする延滞の防止をも図ることを目的とするのですから、延滞の防止は、返済者の返済資力を適切に把握し、それに合った制度設計をすることで実現すべきであって、尚更のこと、保証に頼るべきではありません。

6 その他

素案では、新制度の有利子奨学金への導入、既に返済を開始している人などへの適用が検討課題とされていますが、これについては、着実に進めて頂きますようお願い致します。

なお、返還率の設定については、あくまでも返済者の返済資力を適切に判断するという視点に立って算定し、奨学金事業の採算を優先させないよう、強く求めます。
  

第4 結論

以上のとおり、当会議は意見を述べるものです。

所得連動返還型奨学金制度についての議論と制度設計は、本来は、現場で一体何が起こっているのか、無理な返済を強いているその実態をきちんと把握し、機構の学資金貸与制度とその運用上の問題についての全体像を正しく知り、分析した上で、学生ローンと化した制度と運用を改善するにはどのようにしたらよいかという視点に立って行われるべきものです。

しかし、有識者会議の議論は、全体の制度の中ではごく一部に過ぎない、現行の「所得連動型無利子奨学金制度」と呼ばれるものから出発し、それよりも前進したかどうかという観点での議論しかなされていません。
そもそも、同制度は、新規の無利子についてのみ、年収が300万円に至るまで、返還期限の猶予を認めるというものであり、一般の返還期限の猶予制度の一変形に過ぎないものです。
これを所得連動型奨学金制度と呼ぶのは明らかに間違いです。
誤った官制用語に惑わされ、このような制度を出発点とした議論は、議論の仕方の第一ボタンを掛け違えているものであり、上記に示した問題は、そこから生じているものとも言えます

新制度の設計は、大変重要であり、十分に検討、議論を尽くして行われるべきです。それができず、または財政との関係等で利用者に困難な支払いを求めるような事態を招来するようであれば、むしろ、拙速な導入は避けるべきです。
もし、予算等が限られているのであれば、返済者に困難な負担を求めるのではなく、あるべき姿の制度にした上で、例えば、最初は限られた規模から導入し、その後、予算を増やしつつ、規模を拡大していくような方法も検討すべきです。

当会議に限らず、現在の学費と奨学金制度の状況を憂いている市民は、新制度がどのようなものになるかについて、大きな関心と不安を抱えています。
新制度が、少しでも良いものとなり、それによって、利用者が人として大切にされ、返済に苦しむ人が減って、真に学びと成長を支える本来の学費と奨学金制度の実現に向けた貴重な一歩となることを、強く求めます。
そのためには、制度の運営をする側だけではなく、日々利用者と接して、その状況を知る側の意見も聞いて頂きたいと思います。
当会議は、そのために、求められれば、いつでも協力をする意思と用意があります。

今からでも遅くはありません。

モラルハザードなどという抽象的な言葉を無責任に用いることを止め、返済の負担に苦しむ人たちの現実と、現在の機構の学資金貸与制度の実態と運用上の問題点を正しく知り、理解した上で、真摯に議論を尽くして頂きますよう、重ねてお願い申し上げます。

以上

添 付 資 料

1 奨学金問題対策全国会議編「日本の奨学金はこれでいいのか!」あけび書房
2 新聞記事
3 「給付型奨学金制度の早急な導入と拡充、貸与型奨学金における適切な所得連動型返済制度の創設及び返済困難者に対する柔軟な対応を求める意見書」
2015年3月19日 日本弁護士連合会
4 「全国一斉奨学金問題ホットライン報告書」日本弁護士連合会
5 Q&A「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」日本弁護士連合会
6 返還期限猶予制度の運用に関する取扱要領

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