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新たな奨学金悪夢は生ずるのか

新たな奨学金悪夢は生ずるのか

大手労組の機関誌に投稿する機会があり、次のように書きました。

「奨学金の返済困難さは、大学ではなくむしろ企業経営に影響します。延滞すれば日本学生支援機構から督促がきます。裁判所から督促状が来たら誰しも動揺します。心配で仕事が手につかない状況も危惧されます。また、現実に、この返済の負担は新入社員に重くのしかかっています。飲み会に参加出来ない、映画、コンサートなど文化的なイベントからも遠ざかる、自己啓蒙に書籍なども買えないという余裕のない社会人生活となります。」

この問題に気がついたいくつかの企業は、返済問題を抱えている新入社員への金銭的支援に乗り出してます。それはごく少数です。

多くの企業は、奨学金の返済に追われている学生は採用したくないと考えるのではないでしょうか。奨学金を利用した学生は、こんどは就職で厳しく対応されて、経団連は表向き奨学金の利用の有無を面接で聞くことを禁止と意見表明をするような展開です。こうなると悪夢です。

返済の大変さが若者の気力を蝕んでいるのは事実です。それを強調すると、こんどは就職が困難になり問題がより深刻化することを危惧してます。

奨学金問題対策全国会議 幹事 柴田武男(聖学院大学講師)

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