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新型コロナウイルス感染症の影響から学費と生活費に苦しむ学生を守るための緊急提言

コロナ禍が長期化するなか、アルバイト収入の減少、家計収入の減少等により、大学等を続けることが困難な学生、日々の生活費に窮する学生が大量に生み出されつつある。

学生アドボカシー・グループ「高等教育無償化プロジェクト FREE」が行った調査の中間報告(2020年4月22日)によれば、「家族の収入が減った」「なくなった」学生が4割、「アルバイトの収入が減った」「なくなった」学生が6割など、コロナ禍による経済被害が学生を直撃し、13人の1人が「大学をやめる」ことを検討しはじめている。

インターネット上にも「食事は一日一食 もうすぐ貯金が底をつきる 国が新たに発表した奨学金も対象外の学校で受けられない 区役所に相談しても門前払い 生活保護も受けられない」「助けてください。国から死ねと言われている気持ちでいっぱいです。」など助けを求める深刻な声が届けられているが、これは氷山の一角に過ぎない。

政府は、5月14日、新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮する学生に最大20万円を給付する方針を与野党に示し、準備が進められている。当会議は、同支援の迅速な実行を望むが、他方、学生の窮状に照らせば、その効果は一時的かつ極めて限定的である。

根本的な救済には、更に大規模かつ継続的な支援が求められるが、他方で、現在の危機を乗り越え、長期的な影響にも対応するには、現行制度の利用条件を大幅に拡充し、柔軟な運用による対策もまた急務である。

そのため、当会議は、以下の緊急対策を行うよう提言する。  

提言の趣旨
  1. 独立行政法人日本学生支援機構が運営する貸与奨学金について、少なくとも今後一年間、通年で実施すること。
    (1) 在学採用を6月末で締め切らず通年採用すること。
    (2) 貸与月額の上限を、第一種・第二種それぞれについて6万円引き上げること。
  2. 「住居確保給付金」を、アルバイト収入の減少で住居を失うおそれがある学生が広く利用できるようにすること。
  3. 当面の間、アルバイト収入の減少により収入が保護基準を下回った大学生等に対して、生活保護の利用を認めること。
提言の理由

1(1) 新型コロナウイルス感染症の影響で学費等の支援が必要となった学生への支援には、独立行政法人日本学生支援機構を窓口とする、家計急変による給付奨学金、家計急変による貸与型奨学金(緊急採用、応急採用)の制度がある。
しかし、いずれも父母等の家計維持者の家計が急変した場合に適用され、学生本人の収入が減った場合には原則として適用されない(例外的に社会的養護を必要とし、18歳となる前日に児童養護施設に入所していた、または里親に養育されていた場合、結婚し配偶者を扶養している場合などは適用できる。)。
また、前者は、在学校がいわゆる「確認大学等」でない場合は対象外である。
すなわち、学生がアルバイトの職を失い、またはアルバイト収入が減少した場合については、原則として「家計急変」として救済されることはなく、貸与型奨学金を在学中に申し込む「在学採用」の制度を利用することになる。
しかし、「在学採用」の申込時期は特例で延長されたものの4月から6月となっており、期間内に申し込まなければ利用することができない。新型コロナウイルス感染症の影響は、進学時には予測もできなかった事態であり、今後、経済への影響が拡大するなかで、新たな制度利用への需要が拡大することも予想される。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で、日本学生支援機構の相談窓口は業務を縮小しており、構内立入禁止の措置をとっている大学等も多い状況下では、申込みが間に合わない事態が生ずる危険が極めて大きい。
よって、少なくとも今後一年間、在学採用を通年で実施し、随時、申込み、利用ができる措置を講ずべきである。それにあたっては、授業料納付等のためにまとまった額が必要になって申し込むことが見込まれることから、これに対応できるよう、4月に遡って貸与できるようにすべきである。

(2) また、貸与型奨学金の貸与月額には上限が設定され、奨学金を利用している学生の多くにとって、学生生活を送るためにアルバイト収入は必須である。
しかし今回は、多くの学生がそのアルバイト収入を断たれている。奨学金を利用していない学生は、奨学金でこれを補填できるが、既に上限額まで奨学金を利用している学生は、このアルバイト収入の不足を補うことができない。
日本学生支援機構の平成28年度学生生活調査によれば、学生の4人に1人(26.3%)は、1週間あたり16時間以上を「アルバイト・定職」に充てており、月に6万円以上のアルバイト収入を得て学生生活を維持している学生は少なくない。このような学生は、アルバイト収入が断たれると生活が立ち行かなく危険がある。
  これらの学生の多くは、時給制で就労しているとみられ、労働基準法上の問題はともかくとして、現実には休業手当等の補償を得られない可能性が高いから、アルバイト収入の減少分を補填できる仕組みを早急に設ける必要がある。それには、貸与型奨学金の貸与上限額を引き上げ、学生本人の申出により貸与額を増やすことができるようにするのが現実的である。
そこで、2020年度に限り、アルバイト収入の減少分を補填できるよう、第一種・第二種それぞれについて、貸与月額の上限を6万円引き上げるべきである。

2 「住居確保給付金」の制度が改正され、休業等に伴う収入の減少により、住宅を失うおそれが生じている者も対象となり、ハローワークへの休職申込みが不要になるなど、利用基準が緩和された。
これについて、「住居確保給付金 今回の改正に関するQA(vol 5)は、「学生は(略)基本的には支給対象とならないと考えられる。」とした上で、「ただし、世帯生計の維持者であり、定時制等夜間の大学等に通いながら、常用就職を目指す場合などは、支給対象となると考えられる。
また、専らアルバイトにより、学費や生活費等を自ら賄っていた学生が、これまでのアルバイトがなくなったため住居を失うおそれが生じ、別のアルバイトを探している場合にも(略)、当分の間、例外的に住居確保給付金は支給されることになる。」とし、具体的な例として、児童養護施設を出て大学に通う学生など、事情により両親を頼ることもできず、扶養に入ること等もできない場合を挙げて、同制度は、極めて限られた学生のみを対象にしているかのように説明している。
しかし、「生計を主として維持していた者」をそのように狭く解する理由はない。
奨学金を利用し、親からの支援も一部受けつつ、アルバイト収入で学費と生活費等をギリギリ賄っている学生も多い現状に照らせば、このような学生を制度の対象外とする合理的理由はない。
よって、「住居確保給付金」を、アルバイト収入の減少で住居を失うおそれがある学生が広く利用できるようにすべきである。

3  現在、生活保護家庭の子どもが大学等に進学しようとする場合、「世帯分離」によって、大学等に進学する子どもを生活保護から外す手続がなされており、生活保護を受けながら大学に通うことは認められていない。これは、生活保護世帯の大学生等は「稼働能力を活用していない」とみなされるためである。
しかし、大学等に進学した学生の中には、アルバイト収入を含めて生活設計をし、実際にも、アルバイト収入を学費と生活費の重要な原資として、どうにか学生生活を維持し、またはしてきた学生がかなりの割合で存在すると考えられる。
そのような学生が、新型コロナウィルス感染症の影響でアルバイトを失い、またはアルバイト収入が減少して、その結果、収入が生活保護基準を下回る状態に陥った場合に、大学等に通っていることを理由に生活保護を受けられないとすれば、他の制度の支援が受けられず、間に合わない場合であって、生活保護しか方法がない場合には、生活保護を受けるために大学等をやめる決断を迫られることになる。
逆に、その状態で大学を続けようとすれば、生活保護を受けられないことで、命にもかかわる深刻な事態が生ずることになる。
そもそも、アルバイトをしながらでも大学等に通うことを、稼働能力を活用していないと考えること自体に問題があるが、それを措くとしても、今回の新型コロナウイルス感染症の影響は、進学時には到底予想もできなかった社会的大事件である。
入学試験に合格し、アルバイトと学業を両立させつつ生活していた大学生等が、このような不測の事態に遭遇し、別のアルバイトを見つけようと努力してもなお必要な収入が得られなくなったために、保護を要する状態になった場合にも、大学等をやめなければ生活保護を受けられないというのは、極めて不合理である。
このような学生は、急に梯子を外されたに等しく、稼働能力を活用していないというべきではない。
この点で、進学前とは異なる事情がある。
また、生活保護法4条3項は、急迫した事由がある場合には、資産、能力その他あらゆるものの活用を要件としないことを明らかにしており、このような観点からも大学等に在籍していることのみから生活保護の受給ができないとすることは問題がある。
よって、アルバイト収入を失い、またはアルバイト収入が減少して、収入が保護基準を下回った大学生等に対し、当面の間、生活保護の利用を認めるべきである。

なお、現在の日本学生支援機構の奨学金制度は、親などの所得等を基準にしており、学生個人を基礎にした制度となっていない。
今回、たまたま、家計の急変が生計維持者のそれを基準にしていることの矛盾が、アルバイト収入の急変に対する支援の限界として明らかになったが、問題は更に深く、学生の中には、親などとの間に複雑で深刻な問題を抱える者が決して少なくないことにも留意し、今後、学生個人の状況に照らした支援制度への変革を目指す必要がある。
また、在学採用等の貸与型奨学金については、FREEのアンケートからも、借金を増やすくらいなら大学をやめると考えている学生の存在が明らかになっている。
当会議は、貸与型奨学金が、回収至上主義に基づく制度設計と運用、返済困難者に対する救済制度の不備によって悲劇を生んでいることを指摘し、早急な改善を求めてきた。
新型コロナウイルスの影響の長期化で、貸与型奨学金の利用者も増加することが予想されるなか、返済の負担が新たな悲劇を生まないよう、返還制度の抜本的な改善を急ぐ必要がある。

  以上のとおり、提言する。

文  部  科  学  省  御中
厚  生  労  働  省  御中

2020年5月18日

奨学金問題対策全国会議     
共同代表  大  内  裕  和
共同代表  伊  東  達  也
事務局長  岩  重  佳  治

新型コロナウイルス感染症の影響に鑑み貸与型奨学金の返還期限の猶予を求める緊急声明

奨学金問題対策全国会議は、高額な学費と奨学金の返済に苦しむ人たちの相談・救済活動を行いながら、学費と奨学金制度の改善を求めて活動を続けている民間団体である。
今般、新型コロナウイルス感染症の市民生活への甚大な影響に鑑み、文部科学省及び独立行政法人日本学生支援機構に対し、以下の対策を求める。

声明の趣旨
  1. 貸与型奨学金の全ての借主・連帯保証人・保証人に対し、今後、最低1年以上の期間、一律に返還期限を猶予すること。
  2. どうしても一律に返還期限の猶予ができない場合には、返還期限猶予制度の利用基準を大幅に緩和し、必要な人がもれなく返還期限の猶予が受けられるようにすること。
    その際、特に、以下の点に留意すること。

    (1)返還期限猶予制度を利用するための現在の所得基準(年収300万円以下、年間所得200万円以下)を大幅に緩和すること。

    (2)延滞があることによって、返還期限猶予制度の利用を制限しないこと。

    (3)所得、病気、障害等について厳格な証明資料を求めず、本人の申告も含め、柔軟に対応すること。

    (4)学資金の借主・連帯保証人・保証人の全てに対し、大幅に利用基準を緩和した返還期限猶予制度を個別に周知するとともに、利用を促すこと。

    (5)相談体制を人的・物的に拡充・整備し、簡易な手続で迅速に返還期限の猶予が受けられるようにすること。

    (6)新型コロナウイルスによる市民の経済生活、社会生活への影響が消滅したことが確認されるまでの間、今後利用する返還期限猶予制度の期間は、現在の利用可能期間である10年に算入しないこと。

声明の理由
  1. 新型コロナウイルスが市民生活に甚大な影響を与えている。
    政府が、新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、小中高の休校措置等を要請したことを受け、地方自治体や企業、民間団体・個人が、文化やスポーツはじめ各種イベントの中止、時差出勤や在宅勤務の奨励、パート・期間労働者等への出社の自粛要請など、経済活動の制約を中心とした前代未聞の「自粛」の流れが日に日に大きくなっている。こうした中で、賃金水準の低い勤労者、パートや期間労働者など広範な人々の賃金等が減収となり、零細な飲食店・サービス業等は売上激減・開店休業状態に追い込まれ、新卒者の内定が取り消されるなど、人々は生活苦の増大に加え、先行き不安な状態に置かれている。
    このような状況の中、学資金の返済に困難を来す人が急増し、影響の拡大につれて今後も増加し続けることが予測されるところ、これに対して、返還困難者の救済制度としてはもともと不十分な従来の「返還期限の猶予制度」等で対応するには限界がある。
  2. 新型コロナウイルスの市民生活への影響は甚大であり、その影響は、一部の人に止まらず、全市民に及んでおり、その実態を正しく把握することは困難である。今後、その影響がいつまで、どの程度、どのような形で続くのかを予想することは更に困難である。
    このことに照らせば、返還困難者の実態を正しく把握した上で個別の救済を行おうとしても、事態への対応に限界があることは明らかであり、大規模かつ十分な対策が遅れれば、事後的対応では取り返しのつかない事態が生ずる危険がある。
    よって、何よりも緊急の対応として、まずは、全ての学資金の借主・連帯保証人・保証人に対し、少なくとも1年以上の期間、無条件に返済を猶予すべきである。
  3. どうしても、そのような一律の対応が困難である場合には、新型コロナウイルスが多くの市民の生活に甚大な影響を及ぼしていることに鑑み、返済困難に陥った人が救済から漏れることのないようにする対策を至急行うべきである。
    それには、返還期限猶予制度の利用条件を大幅に緩和するとともに、制度の利用のために延滞の解消を求めるなど返還困難以外の事由に基づく従来の利用制限を撤廃し、救済制度の周知を徹底させ、受入れ体制の拡充、利用手続の簡素化を行い、あわせて、今回の特別の事態による救済制度の利用が、将来の救済制度の利用に不利益・制限をもたらさないようにする必要がある。そのため、声明の趣旨2項記載の各対策を求める。

文  部  科  学  省  御中
独立行政法人日本学生支援機構 御中

2020年3月19日

奨学金問題対策全国会議     
共同代表  大  内  裕  和
共同代表  伊  東  達  也
事務局長  岩  重  佳  治

【シンポジウムのお知らせ】設立6周年集会 見て聞いて知ろう!「若者のリアル」 ~真の高等教育無償化への道筋を考える~

奨学金問題対策全国会議が5月18日(土)に設立6周年集会を行います。みなさま是非ご参加ください!

奨学金問題対策全国会議 設立6周年集会
見て聞いて知ろう!「若者のリアル」
~真の高等教育無償化への道筋を考える~

  • 日時
    2019年5月18日(土)
    13:00~16:00(開場12:30)
  • 場所
    日司連ホール(司法書士会館BF1)
    東京都新宿区四谷本塩町4-37
  • プログラム
    〇6周年 特別報告!

    学費・奨学金の実態調査で分かった「学 生 の リ ア ル!」
    学生アドボカシーグループ 高等教育無償化プロジェクト FREE

    〇パネルディスカッション
    若者のリアルから考える「真の高等教育無償化への道筋」
    高等教育無償化プロジェクト FREE
    奨学金問題対策全国会議代表 大内裕和氏 ほか

    〇報告と問題提起
    「改革は世代間断層を超えて」
    奨学金問題対策全国会議代表 大内裕和氏

    〇報告と提言
    「アンケートから見る教育費負担と奨学金問題」
    労働者福祉中央協議会

    〇訴訟報告
    「日本学生支援機構は過払い金を返せ!」
    奨学金問題対策全国会議
  • 事前申込
    不要
  • 参加費
    弁護士・司法書士:2000円
    一般:無料
  • 主催
    奨学金問題対策全国会議

塾の功績と罪

塾は確かに日本の教育を支えてきた。と同時に、塾は現在の日本の教育の荒廃の一因になっているのではないだろうか?

私自身、埼玉県浦和に生まれ育ち、小学生から浪人時代まで塾にお世話になった。実際、塾では多くのことを学んだ。更に、大学院に進学してからは塾講師で糊口を凌ぎ、現在も時々塾からの仕事をこなすこともある。つまり、私自身、塾の恩恵を十分に受けている人間であることを最初に言っておく。

中学時代、先生方の中には正直学校に授業ではなく部活動をやりに来ている方も多数おられた。また、小学校の頃から塾通いをしていた私は、学校は色々な行事を楽しむところで、勉強は塾でやるものだ、と当たり前のように考えていた。浪人時代、予備校の先生方の授業に高校では得られなかった知的刺激を受けた。当時は予備校最盛期で、著名な先生方がハイレベルな授業を展開していた。このような環境の下、塾への信頼は揺らぐことはなかったし、自分が院生になるとそこで教鞭をとることに誇りさえ感じていた。

このような塾産業の発展は、不十分な公教育を補う役目があったことを指摘しておきたい。昨今話題になっている小中高のブラックな職場環境によってできた教育の隙間を埋めるという役割を塾は確実に果たしているのである。

しかし、冷静に考えれば、そもそも公教育がしっかりと機能していれば、塾は必要ないのではないだろうか?塾が当たり前になっているのが現状ではあるが、塾にお金を使うよりまず公教育に十分な資金を投入するべきではないのか?そもそも、なんで日本では塾がこんなに盛んなのだろうか?

実は、フランスにはほぼ塾が存在しない。もしかしてあるかもしれないが、ほぼ知られていない。広告も見たことがない。日本やアメリカと同じように、フランスでも貧富の差による教育格差が大きな社会問題になっているが、それはやはり世界の多くの国と同様に、学費を税金で賄う安い公立校に行くか、私費で高い学費を払わなければならない私立校に行くか、という選択であり、そこに塾のために決して安くないお金を準備するという選択肢はない。

改めて確認しておこう。塾は文部科学省の管轄外であり、営利団体である。つまり、教育内容に関して政府の指導は受けないし、儲けにならないことにエネルギーはかけられない。「政府の言うことに捕らわれずにオレたちは自由に教育を追求するんだ」と言えば、アウトローっぽくて一見カッコ良く見えるか知れないが、「営利」に縛られる以上、限界がある。例えば、広大なグラウンド、設備の整った音楽室や理科室などが、学校に当たり前のようにあるのは、やはり行政がバックについているからである。塾の理科の授業では、テキストを使って問題の解き方を教えることは出来ても、実験を行い様々な現象を実際に生徒に見せてやることは不可能だ。そして、このような設備を塾が備えるのは、費用の面から言ってまず現実的ではないだろう。

対して、公教育には行政によって既にインフラが用意されている。これらを十分活用せず、教育を塾に頼るのは非効率ではないだろうか?我が国では、営利企業は効率を求めるのに対して、公共事業は無駄が多い、と広く信じられている。しかし、こと教育に関しては、効率を求められない公教育を活用するのが一番効率的ではないだろうか?

もちろん、塾のないフランスの教育に問題がないわけはない。前述の公立と私立の教育格差に加えて、先生との相性などにより一回落ちこぼれてしまった生徒はリカバリーが難しいという問題があるのだ。親や親戚が勉強をみてあげられる家庭は長いヴァカンスの間に復習が出来る。親の友人のコネをつたって家庭教師だって見つけられる。でも、塾も家庭教師センターもほぼないフランスでは、貧困層の子供たちは一回学校の授業で落ちこぼれてしまえば、もう誰もそこから救ってくれるものはいない。そこで人生を詰んでしまうのである。

そういった意味で、日本の塾が我が国の教育制度の欠陥を補ってきたことに疑いはない。親の社会階層に関わらず、お金さえ出せば塾に通えたり、家庭教師を簡単に雇うことが出来るからだ。そうしてこの国は歩んできたのである。

そして、そのような営利団体としての塾が知らず知らずのうちに我が国の教育を蝕んできたのではないのだろうか? まず第一に、塾は儲からない過疎地には進出しないので、教育の地域格差を加速させてしまった。そして何より、教育にはお金を払うのが当たり前だ、という考えを日本人に叩き込んでしまったのである。

四六答申以降の学費の高騰は、世界的に見れば、異常事態である。まず、その異常さを認識することから始めなければならないのではないだろうか?

奨学金問題対策全国会議 代表幹事
フランス文学博士(フランス国立ル・マン大学) 黒木朋興

高校出張講座と保証人制度の話

このところ、日本学生支援機構の奨学金の返還を請求された保証人の問題がクローズアップされている。
私の所属する愛知奨学金問題ネットワーク(名古屋市)でも、高校へ出張講座をする際に、保証人制度の話を繰り返して話すようにしている。

16歳から18歳の高校生とその保護者に、「奨学金は借金です。もし、払えないと連帯保証人、保証人に借金の催促がいくことになります。」と説明する。
受験勉強や高校生活に時間をもっと有効利用するべき時期に、なぜ、未来の宝である若者にこんな説明をしなければならないのだろう、なんのための奨学金講座なのだろうと自問自答する。
結果として、「ご利用は計画的に」などというどこかの消費者金融の宣伝のような説明になってしまいここでくると自暴自棄になってしまうのである。

最近、返済義務の無い低所得者向けの給付型奨学金制度もでき、また、返済義務のある奨学金についても、保証人制度を廃止して、機関保証制度中心にする方向であるという。
このことは奨学金問題対策全国会議などの活動の成果と思い、大変喜ばしいことではあるが、利用者である学生に聞くと、保証料が4年間で20万~30万になり奨学金が減額されることもあり、悩ましいという声もある。
たしかに生活苦の学生に20万~30万は大金である。それでも、私たちは機関保証がいいと伝えている。保証人がいなかったらもっと違った人生だったのでは、と思わざるえなかったある相談者の事情を紹介したい。

40代男性Aさん。
現在、予備校講師をしながら一人暮らし、非正規社員で手取り16万程度。銀行ローンの債務100万くらいを返済可能限度で分割弁済の方法を銀行との間でまとめてほしいという相談である。

Aさんの家計状況を聞くと、家賃、食費、光熱費、携帯電話代を引くと、返済に回せる金額はせいぜい1万程度しか余裕がない。
病気になれば返済が破綻することもありうるので、私からはAさんに破産手続をして借金を無くすことも選択方法ではあると説明したところ、Aさんからは破産手続は絶対できないと強く拒否された。

Aさんに借金の経緯とこれまでの生活について話を聞いた。
理路整然と丁寧に話ができるAさんが、なぜ借金地獄に陥ったのかと思いながら話を聞いた。

Aさんは地元の進学校をトップクラスで卒業して、超難関と言われる都内某私大に合格。両親が離婚して母子家庭で育ったAさんには、進学するには奨学金を満額借りて、アルバイトで生活資金を稼ぐことしか選択肢がなかった。奨学金を借りるにあたり母親が連帯保証人となり、母親とは険悪な仲にある叔父に保証人をお願いすることになった。
Aさんは大学を無事卒業、地元の大手銀行に就職して、生活費の一部として提携銀行のカードローンを借りることになる。もともと国家公務員1種志望だったAさんは、仕事をしながら翌年受験し、念願の中央省庁に就職する。

ところが、キャリアとして国家中枢機関に配属され深夜まで仕事をする毎日。ストレスで借金を増やし、3年程度で、過労で休職に追い込まれる。
Aさんは、収入が激減したにも関わらず尚もカードローンで借り入れと返済を繰り返した。奨学金は、休職と同時に猶予申請ができることを知り毎年猶予申請をしていた。

法律相談をした弁護士から破産手続も勧められたが、破産することになれば、当然ながら機構の奨学金の返済義務は母親と叔父に移転する。
母親と叔父の関係悪化を恐れてこれ以上迷惑はかけられないと必死で、消費者金融の任意整理の返済を行うため、Aさんは体調万全でない中、中央省庁に復職して返済を再開する。

ところが、前回にも増していきなり重要業務を任せられる激務であり、結果として、過労で鬱病を発症し、結果として退職せざるをえなかったのである。
退職したAさんの再就職先は非正規の低賃金の仕事しか残されていなかった。

Aさんは、現在は、非正規社員として働きながら税理士を目指している。Aさんの夢が叶うことを願わずにはいられない。
国家公務員と現在の生活を天秤にかけるつもりもないが、保証人制度が、Aさんの破産手続の障害となり、結果としてAさんが中央省庁を辞めざるをえなかったことは、私には国の損失であると思わざるえなかったのである。

奨学金問題対策全国会議
幹事 司法書士 水谷英二

12月9日「奨学金の保証人ホットライン」のお知らせ

奨学金問題対策全国会議     
共 同 代 表  大  内  裕  和
共 同 代 表  伊  東  達  也
事 務 局 長  岩  重  佳  治
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独立行政法人日本学生支援機構の学資金貸与制度では、個人保証の場合、連帯保証人と保証人の2名が必要とされ、連帯保証人には全額の支払義務があるのに対し、保証人には、法律上、頭数で割った金額つまり2分の1の支払義務しかありません。
しかし、機構は、学資金の借主の保証人に対し、組織的に全額請求を続けていたことが、報道等により明らかになりました。

これを受けて、当会議では、下記の要領で「奨学金の保証人ホットライン」を実施します。
今回のホットラインでは、他に連帯保証人がいるのに、全額請求された、全額を支払う約束をさせられた、全額支払ってしまった、半分を超えて支払った分を返してほしいなど、保証人からの相談を中心に、弁護士・司法書士が相談に応じます。
また、ご自身が奨学金を借りている方、連帯保証人になっている方などからの相談にも対応します。
奨学金の返済等でお困りの方など、お一人で悩まずに、気軽にご相談下さい。

また、一人でも多くの方が相談できますよう、関係各位には、拡散にご協力をいただきますよう、お願い致します。

  • ホットライン電話番号
    03-5800-5711
  • 日時
    2018年12月9日(日)10:00~17:00
  • 主催
    奨学金問題対策全国会議
  • 問い合わせ先
    03(5802)7015(東京市民法律事務所内)
    奨学金問題対策全国会議事務局長 弁護士 岩重佳治

18歳人口の流出だけに留まらない新たな現象

私は,北海道釧路市で弁護士をしています。
女性弁護士として,地域の女性達から何かと頼られることが多く,ひとり親となった母親からの養育費等の相談も多くあります。

ひとり親の多くは,満足な養育費の支払いを受けられておらず,子どもの高校卒業後の進路については,ほぼ全てを奨学金で賄うという状況です。
釧路市内には,文系の国公立大学2校と短大,看護学校等の専門学校が数校あるだけで,子どもの進路希望に添う進学先がない場合が多くあります。
子どもの進路希望に添う進学先を探すとなると道内ではどうしても多くの高等教育機関がある札幌市を選択せざるを得ないということになります。

ひとり親にとって,学校に納付する学費等の諸費用を奨学金で賄うだけでも大変な状況です。
さらに札幌市へ進学する子どもに生活費を仕送りするとなると,それはほぼ不可能な状況と言えます。
そこで,親子は,生活費の分まで奨学金を借りて賄うか,生活費の全てや一部を子どものアルバイトで賄うかということで悩むことになります。
しかし,ここ数年,「親子で札幌に転居することにしました。」という決断をされる親子が増えて来ました。母親が子どもと一緒に転居すれば,生活費の二重負担を避けられるという訳です。
また,札幌市では自動車の保有も必須ではなく,その分の経費も節約になりますし,母親が新たな職を札幌で見つけることもそう困難ではないそうで,職種が多種多様なためダブルワークもし易いということのようです。

親子の新たな決断に幸多かれと願うとともに,人口流出がこのような形で進行していくことについて,日々思うことばかりです。 

弁護士 篠田奈保子(釧路弁護士会所属)

独立行政法人日本学生支援機構に対し、分別の利益を無視した保証人に対する全額請求の即刻停止と、保証人から取得した支払義務のない金員全額の即時返還を求める緊急声明

声明文(PDF)のダウンロード

声明の趣旨

当会議は、独立行政法人日本学生支援機構に対し、学資金の借主の保証人が有する分別の利益を無視して保証人に全額請求する行為を直ちに止め、あわせて、これまで分別の利益を無視して保証人から取得した法律上支払義務のない金員は、保証人が敢えて返還を求めない場合を除き、これを直ちに全額返還するよう求める。   

声明の理由

1 独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」と言う)の学資金貸与制度では、個人保証が付される場合、制度上、連帯保証人と保証人の2名が必要とされる。
この場合、本人が支払わないと、連帯保証人には全額の支払義務があるのに対し、保証人には、法律上、頭数で割った金額すなわち2分の1の支払義務しかない。
これを保証人の「分別の利益」という(民法第456条、第427条)。

2 しかるに、朝日新聞の2018年11月1日付の記事によれば、機構は、本人と連帯保証人が返せないと判断した場合、保証人に全額を請求し、その際、返還に応じなければ法的措置を取る旨も伝えていることが明らかになった。
機構によると、2017年度までの8年間で延べ825人に全額請求し,総額は約13億円、9割以上が裁判などを経て応じたという。

かかる請求は、保証人に対し、法律上支払義務のない金員の支払いを求める行為であり、法律上原因のない請求である。2分の1を超える金員を保証人から取得すれば、保証人が支払義務のないことを知りながら敢えて支払った場合以外は、その財産権の移転は法律上正当化されず、不当利得として、保証人の返還請求の対象となるものである。

上記記事によると、機構は、「法解釈上、分別の利益は保証人から主張すべきものと認識している」、「法的に問題のない請求」と説明しているとのことであるが、完全な誤りである。分別の利益は、もともと連帯保証人と保証人の2人の保証人がいる場合には、当然に、保証人の支払義務を法律上2分の1に減ずるものであり、保証人が分別の利益を主張するか否かとは全く関係がない。
機構は、保証人に対し、もともと、法律上、2分の1の金額の請求権しかないのであり、保証人には2分の1の支払義務しかない。
保証人に対する全額請求は、保証人に対し、義務なき支払いを求める行為以外の何ものでもない。

このような機構の請求は、分別の利益を知らない保証人の法的知識の欠如につけ込んで、法律上正当化されない金員の取得を目指すものであり、かかる行為を組織的に行ってきたことは極めて不当であり、大きな社会的非難を免れない。

3 なお、分別の利益は、訴訟法上、いわゆる抗弁と位置づけられているが、それは、機構の全額請求を正当化するものでは断じてない。
分別の利益は、消滅時効の抗弁のように債務者の主張によって効果を生ずるものではなく、当初から、保証人の支払義務の範囲が法律上2分の1に減ぜられるものだからである。

これに関し、同じく抗弁と位置づけられる弁済の抗弁について言えば、例えば100万円の貸金のうち借主が30万円を弁済すれば、(利息や損害金を考慮しなければ)残債務は70万円であって、貸主が法律上70万円を超えて請求することはできない。
この場合、貸主が30万円の弁済の事実を知りながらそれに触れないで100万円を請求すれば、架空請求であるとの非難を免れないであろう。

分別の利益が抗弁であることが機構の全額請求を正当化するものではないことは、上記からも明らかである。
「抗弁」という分類は、当事者ではない裁判所の判断の枠組みを定めるものであって、法律上根拠のない請求を正当化する仕組みではない。

4 報道によれば、機構は、本年11月2日、学資金を返還中の保証人の一部について救済する考えを示し、全額の返還請求を受けて機構との返還計画に合意して返還中の保証人については、分別の利益を主張すれば減額に応じる旨を表明したとのことである。

しかし、そもそも保証人は、分別の利益を主張するか否かに関わらず、当初から全額の支払義務がないのであるから、減額の対象を分別の利益を主張した保証人に限るべきではない。
これに関し、機構は、すでに返還した額が総額の2分の1を超えている場合、超過分=過払金の返還に応じないとしているとのことだが、超過分の返還合意は、保証人が超過分の支払義務がないことを知りながら合意したのでない限り、保証人の法的知識の欠如につけ込み、保証人の錯誤を利用してなされた合意であるから、超過部分につき無効である。よって、超過分=過払金は直ちに返還すべきである。

更に、機構は、返還を終えた人や、裁判の判決や和解で返還計画が確定した人は、返還中でも減額に応じないとしているとのことである。
しかし、保証人が総額の2分の1を超えて返還をした場合、超過分は機構の悪意による不当利得(民法第704条、第703条)として、機構は利息を付けて返還するとともに損害賠償をする法律上の義務を負うのであるから、返還を終えた人に対する返還を拒む正当な理由は何ら存在しない。
機構が訴訟の場で保証人に対して全額請求をし、保証人がこれを争わずに全額の支払いを求める判決が出されて確定している事案、または訴訟上の和解が成立している事案においても、もともと、保証人に全額の支払義務がないこと、及び機構には保証人に対して全額を請求する権利はないことに変わりない。
機構は、減額に応じない理由につき「法的に問題のない請求に基づいているため」と説明しているとのことだが、そもそも、2分の1を超える超過分につき、機構は保証人に対する法的請求権を有しない。
このような判決・和解は、機構の法律上根拠のない全額請求と保証人の法的知識の欠如によって得られたものに過ぎないから、法的に問題のない請求に基づいているとの説明は完全な誤りであり、減額を拒む理由たり得ない。

なお、もし、機構が、裁判所を利用した回収すなわち支払督促手続及び訴訟手続において、保証人のほかに連帯保証人が存在することを主張において明らかにしないまま、保証人に対する全額請求をし、これを認容する判決を取得していたとすれば、判決の不正取得であるとの批判を免れない。

5 よって、当会議は、機構に対し、保証人に全額を請求する行為を直ちに止めるよう求めるとともに、これまで分別の利益を無視して保証人から取得した法律上支払義務のない金員を直ちに全額返還するよう求める。

あわせて、これまで何人の保証人に対して2分の1を超える金額をいくら請求し、何人の保証人から2分の1を超える金額をいくら回収したかを、直ちに精査の上、その結果を公表するよう求める。

なお,返還後の本人・連帯保証人との関係については,本件の原因が機構の保証人の法的知識の欠如につけ込む極めて不当な回収方法にあることを踏まえ,適切な対応が必要である。

6 保証人が複数存在する場合に、分別の利益を無視して、保証人に対して全額を請求するような行為は、社会問題化したサラ金被害においても、商工ローン被害においても、過去に行われたことがない極めて不当な行為である。
ちなみに、貸金業者に適用される貸金業法第12条の6第1号は「貸金業者が資金需要者等に対し、虚偽のことを告げ、又は貸付けの契約の内容のうち重要な事項を告げない行為」を禁止し、金融庁のガイドラインは「資金需要者等が契約の内容について誤解していること又はその蓋然性が高いことを認識しつつ正確な内容を告げず、資金需要者等の適正な判断を妨げること」は、これに該当するおそれが大きいことに留意する必要があるとしている。

学資金の貸与事業は教育の機会均等を図るための重要な事業であるが、だからこそ、その原資の一部が法律上の根拠なく、保証人の法的知識の欠如につけ込んで回収された金員であるという事実に驚きと怒りを禁じえない。
かかる行為を公的機関が組織的に行うことは、断じて許されるものではない。

当会議は、機構に対して、猛省を求めるとともに、かかる事態は法令違反もしくは著しく適正を欠くものであったにもかかわらず、これを放置し、独立行政法人通則法所定の措置をとらなかった文部科学省に対しても、猛省を求めるものである。

以上

独立行政法人日本学生支援機構 御中
文  部  科  学  省  御中

2018年11月8日       

奨学金問題対策全国会議     
共同代表  大  内  裕  和
共同代表  伊  東  達  也
事務局長  岩  重  佳  治

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下記の要領で「奨学金返済問題ホットライン」を実施しますので、奨学金の返済等にお困りの方はお電話下さい。
フリーダイヤルですので、通話料はかかりません。

  • 主催
    日本弁護士連合会
  • 日時
    2017年9月30日(土)
    10:00~20:00
  • 相談受付電話番号
    0120-459-783(しょうがくきん なやみ)
  • 今回のホットラインの趣旨
    奨学金の返済に苦しむ借主や保証人,返済に不安を感ずる人,これから奨学金の利用を考えている人などに,適切な情報とアドバイスを提供し,特に、返済に苦しむ人については内容に応じた具体的な救済方法を示すとともに,現在の奨学金制度の実状を把握し,問題点を明らかにしてその是正を求めていくため,当ホットラインを実施することにしました。
    【日本弁護士連合会ホームページ】