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塾の功績と罪

塾は確かに日本の教育を支えてきた。と同時に、塾は現在の日本の教育の荒廃の一因になっているのではないだろうか?

私自身、埼玉県浦和に生まれ育ち、小学生から浪人時代まで塾にお世話になった。実際、塾では多くのことを学んだ。更に、大学院に進学してからは塾講師で糊口を凌ぎ、現在も時々塾からの仕事をこなすこともある。つまり、私自身、塾の恩恵を十分に受けている人間であることを最初に言っておく。

中学時代、先生方の中には正直学校に授業ではなく部活動をやりに来ている方も多数おられた。また、小学校の頃から塾通いをしていた私は、学校は色々な行事を楽しむところで、勉強は塾でやるものだ、と当たり前のように考えていた。浪人時代、予備校の先生方の授業に高校では得られなかった知的刺激を受けた。当時は予備校最盛期で、著名な先生方がハイレベルな授業を展開していた。このような環境の下、塾への信頼は揺らぐことはなかったし、自分が院生になるとそこで教鞭をとることに誇りさえ感じていた。

このような塾産業の発展は、不十分な公教育を補う役目があったことを指摘しておきたい。昨今話題になっている小中高のブラックな職場環境によってできた教育の隙間を埋めるという役割を塾は確実に果たしているのである。

しかし、冷静に考えれば、そもそも公教育がしっかりと機能していれば、塾は必要ないのではないだろうか?塾が当たり前になっているのが現状ではあるが、塾にお金を使うよりまず公教育に十分な資金を投入するべきではないのか?そもそも、なんで日本では塾がこんなに盛んなのだろうか?

実は、フランスにはほぼ塾が存在しない。もしかしてあるかもしれないが、ほぼ知られていない。広告も見たことがない。日本やアメリカと同じように、フランスでも貧富の差による教育格差が大きな社会問題になっているが、それはやはり世界の多くの国と同様に、学費を税金で賄う安い公立校に行くか、私費で高い学費を払わなければならない私立校に行くか、という選択であり、そこに塾のために決して安くないお金を準備するという選択肢はない。

改めて確認しておこう。塾は文部科学省の管轄外であり、営利団体である。つまり、教育内容に関して政府の指導は受けないし、儲けにならないことにエネルギーはかけられない。「政府の言うことに捕らわれずにオレたちは自由に教育を追求するんだ」と言えば、アウトローっぽくて一見カッコ良く見えるか知れないが、「営利」に縛られる以上、限界がある。例えば、広大なグラウンド、設備の整った音楽室や理科室などが、学校に当たり前のようにあるのは、やはり行政がバックについているからである。塾の理科の授業では、テキストを使って問題の解き方を教えることは出来ても、実験を行い様々な現象を実際に生徒に見せてやることは不可能だ。そして、このような設備を塾が備えるのは、費用の面から言ってまず現実的ではないだろう。

対して、公教育には行政によって既にインフラが用意されている。これらを十分活用せず、教育を塾に頼るのは非効率ではないだろうか?我が国では、営利企業は効率を求めるのに対して、公共事業は無駄が多い、と広く信じられている。しかし、こと教育に関しては、効率を求められない公教育を活用するのが一番効率的ではないだろうか?

もちろん、塾のないフランスの教育に問題がないわけはない。前述の公立と私立の教育格差に加えて、先生との相性などにより一回落ちこぼれてしまった生徒はリカバリーが難しいという問題があるのだ。親や親戚が勉強をみてあげられる家庭は長いヴァカンスの間に復習が出来る。親の友人のコネをつたって家庭教師だって見つけられる。でも、塾も家庭教師センターもほぼないフランスでは、貧困層の子供たちは一回学校の授業で落ちこぼれてしまえば、もう誰もそこから救ってくれるものはいない。そこで人生を詰んでしまうのである。

そういった意味で、日本の塾が我が国の教育制度の欠陥を補ってきたことに疑いはない。親の社会階層に関わらず、お金さえ出せば塾に通えたり、家庭教師を簡単に雇うことが出来るからだ。そうしてこの国は歩んできたのである。

そして、そのような営利団体としての塾が知らず知らずのうちに我が国の教育を蝕んできたのではないのだろうか? まず第一に、塾は儲からない過疎地には進出しないので、教育の地域格差を加速させてしまった。そして何より、教育にはお金を払うのが当たり前だ、という考えを日本人に叩き込んでしまったのである。

四六答申以降の学費の高騰は、世界的に見れば、異常事態である。まず、その異常さを認識することから始めなければならないのではないだろうか?

奨学金問題対策全国会議 代表幹事
フランス文学博士(フランス国立ル・マン大学) 黒木朋興

高校出張講座と保証人制度の話

このところ、日本学生支援機構の奨学金の返還を請求された保証人の問題がクローズアップされている。
私の所属する愛知奨学金問題ネットワーク(名古屋市)でも、高校へ出張講座をする際に、保証人制度の話を繰り返して話すようにしている。

16歳から18歳の高校生とその保護者に、「奨学金は借金です。もし、払えないと連帯保証人、保証人に借金の催促がいくことになります。」と説明する。
受験勉強や高校生活に時間をもっと有効利用するべき時期に、なぜ、未来の宝である若者にこんな説明をしなければならないのだろう、なんのための奨学金講座なのだろうと自問自答する。
結果として、「ご利用は計画的に」などというどこかの消費者金融の宣伝のような説明になってしまいここでくると自暴自棄になってしまうのである。

最近、返済義務の無い低所得者向けの給付型奨学金制度もでき、また、返済義務のある奨学金についても、保証人制度を廃止して、機関保証制度中心にする方向であるという。
このことは奨学金問題対策全国会議などの活動の成果と思い、大変喜ばしいことではあるが、利用者である学生に聞くと、保証料が4年間で20万~30万になり奨学金が減額されることもあり、悩ましいという声もある。
たしかに生活苦の学生に20万~30万は大金である。それでも、私たちは機関保証がいいと伝えている。保証人がいなかったらもっと違った人生だったのでは、と思わざるえなかったある相談者の事情を紹介したい。

40代男性Aさん。
現在、予備校講師をしながら一人暮らし、非正規社員で手取り16万程度。銀行ローンの債務100万くらいを返済可能限度で分割弁済の方法を銀行との間でまとめてほしいという相談である。

Aさんの家計状況を聞くと、家賃、食費、光熱費、携帯電話代を引くと、返済に回せる金額はせいぜい1万程度しか余裕がない。
病気になれば返済が破綻することもありうるので、私からはAさんに破産手続をして借金を無くすことも選択方法ではあると説明したところ、Aさんからは破産手続は絶対できないと強く拒否された。

Aさんに借金の経緯とこれまでの生活について話を聞いた。
理路整然と丁寧に話ができるAさんが、なぜ借金地獄に陥ったのかと思いながら話を聞いた。

Aさんは地元の進学校をトップクラスで卒業して、超難関と言われる都内某私大に合格。両親が離婚して母子家庭で育ったAさんには、進学するには奨学金を満額借りて、アルバイトで生活資金を稼ぐことしか選択肢がなかった。奨学金を借りるにあたり母親が連帯保証人となり、母親とは険悪な仲にある叔父に保証人をお願いすることになった。
Aさんは大学を無事卒業、地元の大手銀行に就職して、生活費の一部として提携銀行のカードローンを借りることになる。もともと国家公務員1種志望だったAさんは、仕事をしながら翌年受験し、念願の中央省庁に就職する。

ところが、キャリアとして国家中枢機関に配属され深夜まで仕事をする毎日。ストレスで借金を増やし、3年程度で、過労で休職に追い込まれる。
Aさんは、収入が激減したにも関わらず尚もカードローンで借り入れと返済を繰り返した。奨学金は、休職と同時に猶予申請ができることを知り毎年猶予申請をしていた。

法律相談をした弁護士から破産手続も勧められたが、破産することになれば、当然ながら機構の奨学金の返済義務は母親と叔父に移転する。
母親と叔父の関係悪化を恐れてこれ以上迷惑はかけられないと必死で、消費者金融の任意整理の返済を行うため、Aさんは体調万全でない中、中央省庁に復職して返済を再開する。

ところが、前回にも増していきなり重要業務を任せられる激務であり、結果として、過労で鬱病を発症し、結果として退職せざるをえなかったのである。
退職したAさんの再就職先は非正規の低賃金の仕事しか残されていなかった。

Aさんは、現在は、非正規社員として働きながら税理士を目指している。Aさんの夢が叶うことを願わずにはいられない。
国家公務員と現在の生活を天秤にかけるつもりもないが、保証人制度が、Aさんの破産手続の障害となり、結果としてAさんが中央省庁を辞めざるをえなかったことは、私には国の損失であると思わざるえなかったのである。

奨学金問題対策全国会議
幹事 司法書士 水谷英二

12月9日「奨学金の保証人ホットライン」のお知らせ

奨学金問題対策全国会議     
共 同 代 表  大  内  裕  和
共 同 代 表  伊  東  達  也
事 務 局 長  岩  重  佳  治
.

独立行政法人日本学生支援機構の学資金貸与制度では、個人保証の場合、連帯保証人と保証人の2名が必要とされ、連帯保証人には全額の支払義務があるのに対し、保証人には、法律上、頭数で割った金額つまり2分の1の支払義務しかありません。
しかし、機構は、学資金の借主の保証人に対し、組織的に全額請求を続けていたことが、報道等により明らかになりました。

これを受けて、当会議では、下記の要領で「奨学金の保証人ホットライン」を実施します。
今回のホットラインでは、他に連帯保証人がいるのに、全額請求された、全額を支払う約束をさせられた、全額支払ってしまった、半分を超えて支払った分を返してほしいなど、保証人からの相談を中心に、弁護士・司法書士が相談に応じます。
また、ご自身が奨学金を借りている方、連帯保証人になっている方などからの相談にも対応します。
奨学金の返済等でお困りの方など、お一人で悩まずに、気軽にご相談下さい。

また、一人でも多くの方が相談できますよう、関係各位には、拡散にご協力をいただきますよう、お願い致します。

  • ホットライン電話番号
    03-5800-5711
  • 日時
    2018年12月9日(日)10:00~17:00
  • 主催
    奨学金問題対策全国会議
  • 問い合わせ先
    03(5802)7015(東京市民法律事務所内)
    奨学金問題対策全国会議事務局長 弁護士 岩重佳治

18歳人口の流出だけに留まらない新たな現象

私は,北海道釧路市で弁護士をしています。
女性弁護士として,地域の女性達から何かと頼られることが多く,ひとり親となった母親からの養育費等の相談も多くあります。

ひとり親の多くは,満足な養育費の支払いを受けられておらず,子どもの高校卒業後の進路については,ほぼ全てを奨学金で賄うという状況です。
釧路市内には,文系の国公立大学2校と短大,看護学校等の専門学校が数校あるだけで,子どもの進路希望に添う進学先がない場合が多くあります。
子どもの進路希望に添う進学先を探すとなると道内ではどうしても多くの高等教育機関がある札幌市を選択せざるを得ないということになります。

ひとり親にとって,学校に納付する学費等の諸費用を奨学金で賄うだけでも大変な状況です。
さらに札幌市へ進学する子どもに生活費を仕送りするとなると,それはほぼ不可能な状況と言えます。
そこで,親子は,生活費の分まで奨学金を借りて賄うか,生活費の全てや一部を子どものアルバイトで賄うかということで悩むことになります。
しかし,ここ数年,「親子で札幌に転居することにしました。」という決断をされる親子が増えて来ました。母親が子どもと一緒に転居すれば,生活費の二重負担を避けられるという訳です。
また,札幌市では自動車の保有も必須ではなく,その分の経費も節約になりますし,母親が新たな職を札幌で見つけることもそう困難ではないそうで,職種が多種多様なためダブルワークもし易いということのようです。

親子の新たな決断に幸多かれと願うとともに,人口流出がこのような形で進行していくことについて,日々思うことばかりです。 

弁護士 篠田奈保子(釧路弁護士会所属)

独立行政法人日本学生支援機構に対し、分別の利益を無視した保証人に対する全額請求の即刻停止と、保証人から取得した支払義務のない金員全額の即時返還を求める緊急声明

声明文(PDF)のダウンロード

声明の趣旨

当会議は、独立行政法人日本学生支援機構に対し、学資金の借主の保証人が有する分別の利益を無視して保証人に全額請求する行為を直ちに止め、あわせて、これまで分別の利益を無視して保証人から取得した法律上支払義務のない金員は、保証人が敢えて返還を求めない場合を除き、これを直ちに全額返還するよう求める。   

声明の理由

1 独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」と言う)の学資金貸与制度では、個人保証が付される場合、制度上、連帯保証人と保証人の2名が必要とされる。
この場合、本人が支払わないと、連帯保証人には全額の支払義務があるのに対し、保証人には、法律上、頭数で割った金額すなわち2分の1の支払義務しかない。
これを保証人の「分別の利益」という(民法第456条、第427条)。

2 しかるに、朝日新聞の2018年11月1日付の記事によれば、機構は、本人と連帯保証人が返せないと判断した場合、保証人に全額を請求し、その際、返還に応じなければ法的措置を取る旨も伝えていることが明らかになった。
機構によると、2017年度までの8年間で延べ825人に全額請求し,総額は約13億円、9割以上が裁判などを経て応じたという。

かかる請求は、保証人に対し、法律上支払義務のない金員の支払いを求める行為であり、法律上原因のない請求である。2分の1を超える金員を保証人から取得すれば、保証人が支払義務のないことを知りながら敢えて支払った場合以外は、その財産権の移転は法律上正当化されず、不当利得として、保証人の返還請求の対象となるものである。

上記記事によると、機構は、「法解釈上、分別の利益は保証人から主張すべきものと認識している」、「法的に問題のない請求」と説明しているとのことであるが、完全な誤りである。分別の利益は、もともと連帯保証人と保証人の2人の保証人がいる場合には、当然に、保証人の支払義務を法律上2分の1に減ずるものであり、保証人が分別の利益を主張するか否かとは全く関係がない。
機構は、保証人に対し、もともと、法律上、2分の1の金額の請求権しかないのであり、保証人には2分の1の支払義務しかない。
保証人に対する全額請求は、保証人に対し、義務なき支払いを求める行為以外の何ものでもない。

このような機構の請求は、分別の利益を知らない保証人の法的知識の欠如につけ込んで、法律上正当化されない金員の取得を目指すものであり、かかる行為を組織的に行ってきたことは極めて不当であり、大きな社会的非難を免れない。

3 なお、分別の利益は、訴訟法上、いわゆる抗弁と位置づけられているが、それは、機構の全額請求を正当化するものでは断じてない。
分別の利益は、消滅時効の抗弁のように債務者の主張によって効果を生ずるものではなく、当初から、保証人の支払義務の範囲が法律上2分の1に減ぜられるものだからである。

これに関し、同じく抗弁と位置づけられる弁済の抗弁について言えば、例えば100万円の貸金のうち借主が30万円を弁済すれば、(利息や損害金を考慮しなければ)残債務は70万円であって、貸主が法律上70万円を超えて請求することはできない。
この場合、貸主が30万円の弁済の事実を知りながらそれに触れないで100万円を請求すれば、架空請求であるとの非難を免れないであろう。

分別の利益が抗弁であることが機構の全額請求を正当化するものではないことは、上記からも明らかである。
「抗弁」という分類は、当事者ではない裁判所の判断の枠組みを定めるものであって、法律上根拠のない請求を正当化する仕組みではない。

4 報道によれば、機構は、本年11月2日、学資金を返還中の保証人の一部について救済する考えを示し、全額の返還請求を受けて機構との返還計画に合意して返還中の保証人については、分別の利益を主張すれば減額に応じる旨を表明したとのことである。

しかし、そもそも保証人は、分別の利益を主張するか否かに関わらず、当初から全額の支払義務がないのであるから、減額の対象を分別の利益を主張した保証人に限るべきではない。
これに関し、機構は、すでに返還した額が総額の2分の1を超えている場合、超過分=過払金の返還に応じないとしているとのことだが、超過分の返還合意は、保証人が超過分の支払義務がないことを知りながら合意したのでない限り、保証人の法的知識の欠如につけ込み、保証人の錯誤を利用してなされた合意であるから、超過部分につき無効である。よって、超過分=過払金は直ちに返還すべきである。

更に、機構は、返還を終えた人や、裁判の判決や和解で返還計画が確定した人は、返還中でも減額に応じないとしているとのことである。
しかし、保証人が総額の2分の1を超えて返還をした場合、超過分は機構の悪意による不当利得(民法第704条、第703条)として、機構は利息を付けて返還するとともに損害賠償をする法律上の義務を負うのであるから、返還を終えた人に対する返還を拒む正当な理由は何ら存在しない。
機構が訴訟の場で保証人に対して全額請求をし、保証人がこれを争わずに全額の支払いを求める判決が出されて確定している事案、または訴訟上の和解が成立している事案においても、もともと、保証人に全額の支払義務がないこと、及び機構には保証人に対して全額を請求する権利はないことに変わりない。
機構は、減額に応じない理由につき「法的に問題のない請求に基づいているため」と説明しているとのことだが、そもそも、2分の1を超える超過分につき、機構は保証人に対する法的請求権を有しない。
このような判決・和解は、機構の法律上根拠のない全額請求と保証人の法的知識の欠如によって得られたものに過ぎないから、法的に問題のない請求に基づいているとの説明は完全な誤りであり、減額を拒む理由たり得ない。

なお、もし、機構が、裁判所を利用した回収すなわち支払督促手続及び訴訟手続において、保証人のほかに連帯保証人が存在することを主張において明らかにしないまま、保証人に対する全額請求をし、これを認容する判決を取得していたとすれば、判決の不正取得であるとの批判を免れない。

5 よって、当会議は、機構に対し、保証人に全額を請求する行為を直ちに止めるよう求めるとともに、これまで分別の利益を無視して保証人から取得した法律上支払義務のない金員を直ちに全額返還するよう求める。

あわせて、これまで何人の保証人に対して2分の1を超える金額をいくら請求し、何人の保証人から2分の1を超える金額をいくら回収したかを、直ちに精査の上、その結果を公表するよう求める。

なお,返還後の本人・連帯保証人との関係については,本件の原因が機構の保証人の法的知識の欠如につけ込む極めて不当な回収方法にあることを踏まえ,適切な対応が必要である。

6 保証人が複数存在する場合に、分別の利益を無視して、保証人に対して全額を請求するような行為は、社会問題化したサラ金被害においても、商工ローン被害においても、過去に行われたことがない極めて不当な行為である。
ちなみに、貸金業者に適用される貸金業法第12条の6第1号は「貸金業者が資金需要者等に対し、虚偽のことを告げ、又は貸付けの契約の内容のうち重要な事項を告げない行為」を禁止し、金融庁のガイドラインは「資金需要者等が契約の内容について誤解していること又はその蓋然性が高いことを認識しつつ正確な内容を告げず、資金需要者等の適正な判断を妨げること」は、これに該当するおそれが大きいことに留意する必要があるとしている。

学資金の貸与事業は教育の機会均等を図るための重要な事業であるが、だからこそ、その原資の一部が法律上の根拠なく、保証人の法的知識の欠如につけ込んで回収された金員であるという事実に驚きと怒りを禁じえない。
かかる行為を公的機関が組織的に行うことは、断じて許されるものではない。

当会議は、機構に対して、猛省を求めるとともに、かかる事態は法令違反もしくは著しく適正を欠くものであったにもかかわらず、これを放置し、独立行政法人通則法所定の措置をとらなかった文部科学省に対しても、猛省を求めるものである。

以上

独立行政法人日本学生支援機構 御中
文  部  科  学  省  御中

2018年11月8日       

奨学金問題対策全国会議     
共同代表  大  内  裕  和
共同代表  伊  東  達  也
事務局長  岩  重  佳  治

書籍紹介『奨学金 借りるとき返すときに読む本』

奨学金 借りるとき返すときに読む本(埼玉奨学金問題ネットワーク)
埼玉奨学金問題ネットワークが書籍『奨学金 借りるとき返すときに読む本』(弘文堂)を出版しました。

主に日本学生支援機構奨学金について、借りるときに注意すべき点、返済が難しくなった際の救済制度、延滞するとどのようなことが起こるのか、実際の日本学生支援機構との裁判例などについて紹介していますのでぜひご一読ください。

インターネットからの購入はこちらから(弘文堂ホームページ)

『奨学金 借りるとき返すときに読む本』
柴田武男 編・鴨田譲 編  埼玉奨学金問題ネットワーク 著

  • 奨学金を使いこなすための完全ガイド

日本の奨学金が未成年者を対象としたローンであり、返済できないと訴訟トラブルに発展する現状が社会問題となっています。

しかし、正しい知識を持ち、無理なく利用すれば、奨学金は進学の心強い味方です。
本書は二部構成で、第一部では奨学金を借りる前に知っておきたい基礎知識と賢い利用方法を紹介し、第二部では返済に行き詰まったときになにが起こるか、どう対処すればよいのか具体的に説明しています。

奨学金を賢く利用して夢をかなえるために、本人はもちろん保護者や教職員も必読の一冊です。

日本弁護士連合会主催 奨学金返済問題ホットラインの実施のお知らせ

下記の要領で「奨学金返済問題ホットライン」を実施しますので、奨学金の返済等にお困りの方はお電話下さい。
フリーダイヤルですので、通話料はかかりません。

  • 主催
    日本弁護士連合会
  • 日時
    2017年9月30日(土)
    10:00~20:00
  • 相談受付電話番号
    0120-459-783(しょうがくきん なやみ)
  • 今回のホットラインの趣旨
    奨学金の返済に苦しむ借主や保証人,返済に不安を感ずる人,これから奨学金の利用を考えている人などに,適切な情報とアドバイスを提供し,特に、返済に苦しむ人については内容に応じた具体的な救済方法を示すとともに,現在の奨学金制度の実状を把握し,問題点を明らかにしてその是正を求めていくため,当ホットラインを実施することにしました。
    【日本弁護士連合会ホームページ】

「給付型奨学金制度の創設等を求めるアピールへの賛同(団体・個人)のお願い」 へのご協力をお願いします。

中央労福協(労働者福祉中央協議会)では「給付型奨学金制度の創設等を求めるアピールへの賛同(団体・個人)のお願い」を実施しております。
下記署名フォームから署名ができますので、みなさま是非ご協力を宜しくお願いします。

https://www.rofuku.net/seido_shogaku/sando/form/

卒論のテーマに「奨学金問題」を!

卒論のテーマに「奨学金問題」を!
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奨学金問題対策全国会議     
奨学金問題と学費を考える兵庫の会


大部分の大学生にとって、もはや大学生活は「レジャーランド」「モラトリアム」ではなくなりました。
「青年の貧困化」が指摘されるなかで、大学生が抱える問題にもっと社会的に焦点があたるべきではないでしょうか。

その極めて身近でホットな問題が、「奨学金」と「ブラックバイト」です。
なかでも、「奨学金問題」は最近社会的関心が高まり、国会での論戦や安倍首相の「給付型奨学金創設」表明など、状況に大きな変化も起きつつあります。

当事者である学生が、卒論のテーマに「奨学金問題」を設定して解明することは、この動きをさらに拡大することになります。

すでに、「奨学金問題と学費を考える兵庫の会(略称:兵庫・奨学金の会)」では3人の方の卒論に協力してきました。
そこで、奨学金問題対策全国会議設立3周年集会で、「卒論のテーマを『奨学金問題』に!」と呼びかけた結果、皆さんに賛同していただきました。

ともかく、一人でも多くの学生の方に、「奨学金問題をテーマにした卒論」に取り組んでいただきたいのです。
考えられる課題例を下に列記してみました。

全国会議での体制がまだ整っていませんので、当面「兵庫・奨学金の会」が窓口として対応します。質問・協力申し込みは、「兵庫・奨学金の会」のホームページの「お問い合わせ」でお寄せください。
発表の場としては、奨学金問題対策全国会議のシンポジウムなども検討しています。

奨学金問題として解明すべき課題例

(1)「奨学金」と大学生活・意識
① なぜ、半数の大学生が奨学金を借りているのか
② どんな思いで受けているのか

☆「共通調査表」を「兵庫の会」で作成中
 (完成しだい「兵庫・奨学金の会」のホームページに掲載)

(2)日本における「学費」と「奨学金制度」の歴史
① 大学の学費が急増した理由
② なぜ国の奨学金は「貸与」だけか
③ どのような経過で「有利子奨学金」が激増したのか
④ 「受益者負担論」に説得力はあるのか

(3)日本学生支援機構の役割と問題
① 「日本育英会」から「日本学生支援機構」になったことで
  どのような変化が起きたのか
② 「厳しい取りたて」の実情
③ どのような改善を求められているのか
  「奨学金問題対策全国会議」の要求と日本学生支援機構の対応

(4)諸外国との比較
① 諸外国では「学費」と「奨学金」はどうなっているのか
② 「学費=ゼロ、給付型奨学金」の国は、
  どのような意識で制度が維持されているのか

(5)経済的、社会的及び文化的権利に関する国際(国連)規約
-教育の無償化に向け、漸進的にその導入を目指す
① 日本政府がとった経過
  なぜ、高等教育については留保されたのか
② 現状と今後の方向
  2012年に留保は撤回されたが、文科省はどうしようとしているのか