奨学金問題対策全国会議

東京都文京区本郷2-13-10 湯淺ビル7階 東京市民法律事務所内

TEL 03-5802-7015

2013年

書籍紹介『日本の奨学金はこれでいいのか!』

20131105奨学金問題対策全国会議が書籍『日本の奨学金はこれでいいのか!‐奨学金という名の貧困ビジネス』(あけび書房)を出版しました。

日本の奨学金制度の現状、問題点、返済に困難を抱える方の窮状などがこれ一冊で分かる内容となっていますので、ぜひご一読ください。

『日本の奨学金はこれでいいのか!‐奨学金という名の貧困ビジネス』

第1章 総論  大内裕和
教育における格差と貧困
-「貧困ビジネス化」した奨学金問題から考える

第2章 ルポ・奨学金地獄  三宅勝久
若者の借金奴隷化をたくらむ「日本学生支援機構」
-延滞金を膨らませて骨までしゃぶる“奨学金”商法

第3章 相談・救済活動の現場から  岩重佳治
「奨学金被害」の実態と救済への道
-制度上の諸問題、救済制度活用、そして改革への提言

第4章 座談会  岩重佳治/大内裕和/藤島和也/三宅勝久
日本の未来を奪う「学生ローン=奨学金」

~真に学びと成長を支える奨学金制度を求める請願署名にご協力下さい~

※本署名の受付期限は終了致しました。ご協力頂き、誠にありがとうございました。


奨学金問題対策全国会議では、よりよい奨学金制度の実現のために署名活動を行っております。
下記の請願趣旨と請願項目に賛同して下さる方は、署名用紙をダウンロードして、氏名・住所を自署のうえ、「全国青年司法書士協議会」までお送り下さい(11月末日締切予定)。
署名は1名様からでも結構です。

請願署名用紙ダウンロード

請願署名チラシダウンロード

~「奨学金被害」をなくし、真に学びと成長を支える奨学金制度を求める請願署名~


【請願趣旨】

大学の学費が高騰する一方で、家計は苦しくなり、今や大学生(昼間部)の2人に1人が何らかの奨学金を利用し、約4割が日本学生支援機構(機構)の奨学金を借りています。

学費の高騰で借入額も増大する一方で、非正規労働等の低賃金・不安定雇用の拡大、格差と貧困の拡がりは、大学を卒業しても奨学金を返せない多くの人を生み出しています。

特に、機構の奨学金は、7割が有利子となるなど利用者負担が増大し、債権回収会社、ブラックリスト、訴訟等までも利用した徹底した回収強化策により、返済ができない人に対する無理な取り立てが行われ、奨学金を返してたくても返せない人が、経済的にも、精神的にも更に追い詰められています。

機構の奨学金における返還猶予制度など救済制度は、要件が極めて厳しく、様々な運用上の制限もあって、使い物になりません。
今や、機構の奨学金は、等しく教育を受ける権利(憲法26条1項)を支えるという本来の姿を失い、完全に教育ローン化してしまいました。

奨学金の返済に苦しむ人は、不充分な教育支援制度の下、自分の力ではどうしようもない理由で返済困難に陥り、無理な返済を迫られています。
これは、構造的に生み出されている「被害者」にほかなりません。

我が国から「奨学金被害」をなくし、真に学びと成長を支える学費と奨学金制度を実現するため、以下の項目を請願します。

【請願項目】

1、利用者の負担の少ない返済制度を実現して下さい。機構の奨学金における返還期限猶予の期間制限を撤廃し、所得に応じて無理ない金額を一定期間返せば残額が免除される「所得連動型の返済制度」を作って下さい。

2、利息と延滞金を廃止してください。廃止までの間は、返済金は元金・利息・延滞金の順に充当して下さい。

3、貸与型奨学金の個人保証制度をやめて下さい。

4、高校と、大学等の高等教育につき、速やかに国の給付型奨学金を作り拡充して下さい。

5、高騰した高等教育の学費を引き下げるための政策を実行して下さい。

ショウガクキンってどーゆーもの?!(札幌シンポジウム)

20130707
進学したい。でもお金が…
返済が大変…
返せるか不安(*_*;
みんなでしゃべってかんがえよう!
学生・保護者・返済中(延滞中)の人などオールOK!

日時
2013年7月7日(日)13:00~16:30

場所
さっぽろテレビ塔 2F会議室
出入り自由

MENU
・弁護士による奨学金についての説明
・ワールドカフェ方式でレッツトーク♪
*コーヒーやお菓子を食べながら、カフェにいるようなリラックスした雰囲気で、少人数に分かれたテーブルで奨学金に関するテーマについて自由にトークしましょう♪
席を途中でシャッフルするので、色んなメンバーと盛り上がることができますよ☆

主催
奨学金問題対策全国会議
北海道学費と奨学金を考える会

後援
札幌弁護士会
ビギナーズ・ネット北海道支部

連絡先
北海道合同法律事務所
弁護士 橋本祐樹
TEL 011-231-1888

奨学金が返せない!~奨学金問題を考える愛知シンポジウム~@名古屋

20130609
いま、日本では大学生の2人に1人は奨学金を利用しています。奨学金制度は、ゆとりのない家計を助けて修学を支え、可能性を伸ばすというもの。
ところが、日本の奨学金の9割は貸与型。つまり、将来、返済を迫られる借金です。
最も多く利用されているのは、国が資金を貸す日本学生支援機構の奨学金制度です。大学奨学生の3人に1人が利用し、本年度予算案では144万3000人の利用が想定されています。

もし、毎月10万円を4年間借りて年利3%で20年間の月払いで返すとなると、返済額は約646万円。月あたり2万7000円を支払う計算です。遅れると年利10%の割合で延滞金が加算されます。
収入の不安定な非正規職に就いたり、就職できなかったり、失職したりすれば行き詰ります。返済遅れの人は実に33万人を超えます。そして、3カ月以上の滞納者の8割以上は年収300万円に満たないのが現状です。

可能性を伸ばす機会の“コスト”を、社会で広く負担する海外の事例にも目を向け、制度を見直す必要があるのかもしれません。
奨学生は将来をどう設計したらよいのか。もし返済がむずかしくなったら?
当日は、専門家による話と、参加者も含めた意見交流を行います。
(文章 読売新聞社説を一部改変)

日時
2013年6月9日(日)13時~16時半(予定)

場所
愛知県司法書士会館
名古屋市熱田区新尾頭1-12-3
(金山総合駅南口徒歩5分)

参加費
弁護士・司法書士 1,000円
一般 500円
学生 無料

内容
学生・返済当事者の体験談、奨学金講座
ワールドカフェ(交流会)など

講師
大内裕和氏(中京大学教員)ほか

主催
奨学金問題対策全国会議

後援
愛知県学費と奨学金を考える会
なくそう子どもの貧困ネットワークあいち
全国クレジット・サラ金問題対策協議会
全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会

シンポジウム連絡先
水谷司法書士事務所
電話 052-916-5080

全国奨学金返済問題ホットライン

20130518
奨学金問題対策全国会議が「全国奨学金返済問題ホットライン」を実施します!

低収入などにより奨学金の返済に困難をきたしている人が急増しており,大きな社会問題となっています。
仕事が不安定で返還できない,何年も経ってから高額の延滞金を含めた督促を受け,延滞金のカットに応じてもらえず,裁判まで起こされた,返還ができないでいたところブラックリストに載せられた等の事例が,独立行政法人日本学生支援機構の奨学金を中心に相次いでいます。

深刻化する奨学金問題を受け,私達は,本年3月31日,奨学金問題に取り組む全国組織として「奨学金問題対策全国会議」を設立しました。返済に苦しむ人の相談・救済をはかりながら,制度の改善に向けた活動を続けています。

その活動の一環として,下記の要領で,本会議として第1回目の「全国奨学金返済問題ホットライン」を実施します。
ホットラインは全国どこからでも利用することができます。弁護士・司法書士等による相談を行い,必要な場合には,弁護士・司法書士等の紹介も行います。お気軽にお電話ください。

日時
2013年5月18日(土)10:00~18:00

相談受付番号
統一ナビダイヤル 0570-050015
全国どこからでもご利用いただけます。

開催地
釧路,札幌,岩手,仙台,栃木,群馬,埼玉,東京,千葉,静岡,名古屋,大阪,愛媛,大分,福岡,佐賀,沖縄

ご相談内容の一例
・保証人に請求すると言われた
・返済方法の相談に応じてくれない
・ブラックリストにのせると言われた
・裁判を起こされた
・延滞金が重すぎる
・これから借りたいが返済が不安
・生活がきびしく返せない

主催
奨学金問題対策全国会議

設立集会 @四ッ谷

20130331

真に学びと成長を支える奨学金を目指して
我が国の学費と奨学金を考える

学費の高騰と家計収入の減少等により、奨学金を利用する人が増えています。他方で、不安定雇用や格差の増大は、卒業しても奨学金を返還できない人を多く生み出しています。教育を受ける権利を保障し、その人の可能性を最大限に生かすための奨学金が、逆に人生の大きなハンディとなる。そんな現状を変えるため、真に学びと成長を支える学費・奨学金のあり方と今後の運動について考えます。

日時
2013年3月31日(日)13:00~16:00

会場
主婦会館プラザエフ
〒101-0062 東京都千代田区六番町15
TEL 03-3265-8111
JR線/四ツ谷駅麹町口 徒歩1分;地下鉄 丸の内線・南北線/四ツ谷駅 徒歩3分

資料代・会場代
弁護士・司法書士 2,000円
一般 1,000円
学生 無料
※お支払いが困難な方はご相談下さい

プログラム(予定)
・基調講演『教育における格差と貧困-奨学金問題から考える』
 中京大学国際教養学部 教授 大内裕和 氏
・当事者の訴え・奨学金実態報告
・奨学金制度の原状 岡村 稔 氏(奨学金の会事務局次長)
・若者の労働問題と奨学金 今岡 直之 氏(NPO法人POSSE)
・奨学金回収ビジネスに励む理由 三宅 勝久 氏(ジャーナリスト)
・特別報告 日弁連アメリカ調査報告 境 啓輔 氏(弁護士 日弁連貧困問題対策本部委員)
・特別企画 奨学金の歌発表
・奨学金問題対策全国会議設立について 組織体制・活動方針 等

お申し込み
チラシ下部の必要事項にご記入の上、FAX 03-3571-9379までお送りください

呼びかけ人
中京大学教授大内裕和・弁護士伊東達也・弁護士宇都宮健児・首都圏なかまユニオン伴幸生・司法書士水谷英二・弁護士篠田奈保子・司法書士小澤吉徳・弁護士岩重佳治ほか

問い合わせ先
〒177-0041 東京都中央区銀座6-12-15 COI銀座612ビル7階
東京市民法律事務所内
奨学金問題対策全国会議事務局
弁護士 岩重佳治
電話 03-3571-6051

3 その他

ブラックリスト(個人情報信用機関への登録)

Q 奨学金を借りるために「個人信用情報の取扱いに関する同意条項」への同意が必要だと言われました。
個人信用情報とはどのような情報ですか。同意しなければ奨学金を借りることはできないのでしょうか。
A 個人信用情報とは,氏名・住所・生年月日・電話番号・勤務先などの個人を特定する情報と,借入額(貸与額)・返還日・返済状況などの金銭貸借契約に関する情報(経済的信用に係る情報)です。
日本学生支援機構は平成21年度以降に機構の奨学生として採用されるには,「個人信用情報の取扱いに関する同意書」を提出することを奨学金貸与の条件にしていますので,同意しなければ奨学金を借りることはできません。

Q 奨学金を返還中です。日本学生支援機構から「個人情報の取扱いに関する同意条項」に同意するかどうか訊かれました。
同意する必要があるのでしょうか。
A 日本学生支援機構は,平成21年度以降に機構の奨学生として採用されるには,「個人情報の取扱いに関する同意書」を提出することを奨学金貸与の条件にしていますが,既に貸与中の人や返還中の人に同意を強制することはできませんので,同意する必要はありません。
但し,平成23年1月から実施されている減額返還制度の適用を受けるには,同意書の提出が必要です。
同意書を提出すると,返還を3ヶ月以上滞納した場合に個人情報信用機関に登録される可能性が生じます。

Q 奨学金を返還しないと個人情報信用機関に登録されると聞きました。
個人情報信用機関とはどのような機関ですか。また,情報の登録とはどのようなことでしょうか。
A 個人情報信用機関とは会員になった金融機関から個人信用情報を収集し,照会があった場合には情報を提供する機関です。
日本にはいくつかの個人情報信用機関があり,それぞれ別の組織ですが,情報を相互に利用できるシステムを採用しています。日本学生支援機構は平成20年11月に全国銀行個人信用情報センターに加盟しています。
個人情報信用機関に会員が情報を提供し,機関が情報を受け入れてデータ化することを情報の登録といいます。ローン契約と同時に個人情報が提供されることもありますが,日本学生支援機構は,3か月以上の滞納があった場合に情報を提供すると定めています。

Q 個人情報信用機関に登録されると,どのような問題があるのでしょうか。
A 個人情報信用機関には返済状況が登録されます。
金融機関はこの情報を経済的信用性の判断に利用しますので,契約どおりの返還がされていない場合,経済的な信用性が低いと判断され,クレジットカードの発行やローンの申し込みなどを金融機関から断られる可能性があります。

Q 返還用の口座に入金することを忘れてしまったため,返還できませんでした。個人情報信用機関に登録されてしまうのでしょうか。
A 日本学生支援機構は3か月以上の滞納がある場合に個人信用情報機関に情報を提供することとしていますので,一度返還が遅れただけで個人信用情報が登録されることはありません。

Q 日本学生支援機構のHPには,個人信用情報機関への登録はブラックリストにのるということではないと説明されていますが本当でしょうか。
そもそも,ブラックリストとはどのようなものなのでしょうか。
A 日本学生支援機構のHPにはブラックリストというものは存在しない旨説明されています。
確かに,ブラックリストという名称のリストが存在するわけではありません。ブラックリストと呼ばれているのは,事故情報(契約どおりの返済がなされていない人又は契約に関する情報)をまとめたリストのことです。
日本学生支援機構は3か月以上の延滞がある場合に個人情報信用機関に情報を提供することにしているので,事故情報として登録される可能性があります。したがって,いわゆるブラックリストに掲載される可能性は否定できません。

Q 奨学金の返還を滞納してしまいました。
個人信用情報機関に登録されたかどうか確認することはできますか。
A 個人情報機関に開示請求をすることができます。日本学生支援機構が加盟する全国銀行個人情報センターの問い合わせ先は下記のとおりです。
 問い合わせ先(2012(平成24)年8月現在)
 〒100-8216 東京都千代田区丸の内1-3-1
 一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター
 Tel:0120-540-558(携帯電話,PHSからは03-3214-5020
 受付時間 月曜日~金曜日(祝日,12月31日~1月3日を除く)
 午前9時~正午,午後1時~午後5時

Q 個人情報信用機関に登録された情報を削除してもらうことはできませんか。
A 情報が間違っている場合を除き,削除してもらうことは原則としてできません。
返済が終了した後,5年が経過すれば情報は削除されることになっています。

2 法的救済-②個人再生-

②個人再生

Q 機構の奨学金を返済していますが,借入総額も多額で,毎月の返済額も多く,到底全額返済できるとは思えません。しかしながら,自分の学費のために借入したので,破産するということも心理的に抵抗があります。全額を支払わないことになる自己破産以外に方法はありますか。
A 個人債務者再生手続(個人再生)があります。破産と同様に裁判所に申立を行う手続きです。個人再生には,①小規模個人再生と②給与所得者等再生の2種類があります。但し,破産に心理的な抵抗があるとしても,破産を選択する方がメリットがあることが多いので,弁護士によく相談して手続きを選択して下さい。

(解説)個人再生の概要
例えば500万円の負債を抱えた多重債務者が,100万円を3年間で返済するという再生計画を立て,これが裁判所によって認可され,そのとおりに100万円を3年間で返済すると,残額の400万円の債務が免除される制度です。

  1. 負債総額(但し,住宅ローン,担保付債権のうち回収見込額,罰金を除く)が5000万円以下の個人で,将来において一定の収入の見込みのある個人が利用できます。
  2. 弁済期間は原則として3年間の分割払い。特別の事情があれば5年を超えない範囲で延長できます。
  3. 債権者の消極的同意を要する「小規模個人再生」と債権者の同意を要しない「給与所得者等再生」の2つの手続があります。
  4. 支払不能に陥っていなくても,支払不能のおそれがあれば利用できます。
Q 小規模個人再生手続の概要を教えて下さい。
A 小規模個人再生手続の概要

  1. 住宅ローンなどを除く無担保債務が5000万円以下の個人で,将来において反復または継続して収入を得る見込みのある個人が利用できます。
     →サラリーマンはもちろん,自営業者や農家でも利用可能
  2. 債権者の消極的同意が必要
    再生計画案に同意しない旨を書面で回答した債権者が債権者総数の半数に満たず,かつ,その債権額が債権総額の2分の1を超えないことが必要です。
  3. 弁済額が「最低弁済額要件」と「清算価値保障原則」を満たすことが必要です。
    ① 最低弁済額要件
    弁済総額が,以下の金額を下回らないこと。
    ア 手続の中で確定した住宅ローンなどを除く無担保債権の額が3000万円以下の場合
     ・その5分の1と100万円のいずれか多い額。
     ・但し,無担保債権の額が100万円より少ないときは,その額
     ・その5分の1の額が300万円を超えるときは,300万円。
    イ 手続の中で確定した住宅ローンなどを除く無担保債権の額が3000万円を超え5000万円以下の場合
     その10分の1の額
    ② 清算価値保障原則
    弁済総額が破産手続の場合の配当額を下回らないこと。

Q 私は現在奨学金の残額が400万円あります。資産は査定価値30万円の自動車と加入する生命保険の解約返戻金25万円の合計55万円です。小規模個人再生手続をとった場合,毎月の返済はどうなりますか。
A 最も返済額が少ない再生計画案は,100万円を3年間で支払う,月額にすると約2.8万円の返済を行うという内容になります。

(解説)

  1. 最低弁済額要件
    400万円×1/5=80万円<100万円
     →最低弁済額要件は,100万円
  2. 清算価値保障原則
    30万円+25万円=55万円
     →清算価値保証原則は,55万円
  3. 最低必要弁済額
    100万円>55万円なので,最低必要弁済額は,100万円
     →これを3年間で返済すると,約2.8万円/月
Q 私は現在奨学金の残額が400万円,その他信販会社などからの借金が200万円あります。資産は査定価値50万円の車と保険の解約返戻金70万,それと現在の会社で15年ほど勤務しており,現時点で自己都合により退職すると480万円退職金が出るとのことです。小規模個人再生続をとった場合,毎月の返済はどうなりますか。
A 最も返済額が少ない再生計画案は,180万円を3年間かけて支払う,月額5万円の返済を行うという内容になります。

(解説)

  1. 最低弁済額要件
    600万円×1/5=120万円>100万円
     →最低弁済額要件は,120万円
  2. 清算価値保障原則
    50万円+70万円+60万円(退職金の8分の1:東京地裁の場合)
    =180万円
     →清算価値保証原則は,180万円
  3. 最低必要弁済額
    120万円<180万円なので,最低必要弁済額は,180万円
     →これを3年間で返済すると,5万円/月

2 法的救済-①自己破産-

①自己破産

Q 破産手続とはどのような手続きですか。
A 破産とは,財産をお金に換えて,債権者に配分し清算する裁判所の手続きです。
財産を配分して清算した後,残った負債を免除する免責の手続きがあります。免責の手続きにおいて免責許可決定を受けると,税金等一定の負債を除いて支払いを免れます。
機構の奨学金返還義務も,免責許可決定を得ると,支払いを免れます。

Q 私は,奨学金のほか金融機関からの借り入れなどを月々やりくりして返済をし続けてきたのですが,今般,不況による給料の減額で返済しきれなくなってしまいました。破産することはできますか。
A 個人の破産手続は,債務者が支払不能にあれば,申し立てることができます。
支払不能というのは,今ある財産や収入から考えて,債務を返済していく見通しが立たないことをいいます。
仮に,奨学金以外に借金がない場合であっても,奨学金について支払不能の状態にあれば,破産することができます。

Q 破産すると,家,自動車,家財道具などはすべて失ってしまうのですか。
A 破産手続は,建物・土地,自動車及び預貯金などを含めた全ての財産が清算の対象となるのが原則です。また,現在まで働いた分の退職金債権や,生命保険解約返戻金等も,その人の財産とみて,清算の対象とする運用がなされています。
しかし,当面の生活を保障する必要もあるため,一定の財産は清算の対象となりません(自由財産)。
例えば,生活に欠かせない家財道具,一定額の金銭・預金、一定額の生命保険解約返戻金,一定額の退職金支給見込額などは引き続き保有することができます。
自由財産としてどの範囲の財産の保有が認められるかについては,各地方裁判所によって,一定の基準が定められています。
その他,個別の事情に応じて,裁判所が,その他の財産についても保有を認めることがあります。
ただし,このような破産手続きとは別に,ローンが残っている自動車等は,債権者に引き揚げられ,債務の弁済に充てられることがあります。

(参考)東京地裁の個人破産の換価基準
東京地裁では,個人である破産者が有する次の財産については,原則として,破産手続における換価又は取立てをしません。
① 99万円に満つるまでの現金
② 残高が20万円以下の預貯金
③ 見込み額が20万円以下の預貯金
④ 処分見込額が20万円以下の自動車
⑤ 居住用家屋の敷金債権
⑥ 電話加入権
⑦ 支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である退職金債権
⑧ 支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える退職金債権の8分の7
⑨ 家財道具
⑩ 差押えを禁止されている動産又は債権

Q 破産することによるデメリットはありますか。
A 破産手続が始まると,特定の資格については資格を失います。しかし,免責許可を受けてそれが確定するなど復権を得ると,そのような資格の制限はなくなります。
制限される資格の例としては,保険募集人,警備員,後見人,持分会社の社員などがあります。
また,会社の役員など委任契約に基づく関係は,破産手続開始決定によって,終了しますが,再び会社の役員に就任することは,法律上制限されません。

Q 破産することで家族にも迷惑が影響がありますか。
A 破産手続をしても,家族に法律上の影響は及びません。

Q 破産手続をしたことは,周りの人に知られませんか。
A 破産者は,官報という政府が発行する刊行物に住所・氏名などが記載されます。
官報は公開されていて,誰でも見ることができるものですが,多くの人は関心がなく,仕事上官報を確認する必要のある人以外は殆ど目にすることはないといえるでしょう。

Q 破産することで選挙権の行使ができなくなりませんか。
A そのようなことはありません。

Q 免責をうけた場合,保証人も免責されますか。
A 免責の効果は保証人には及びません。
したがって,保証人が免責を得るためには,保証人自身も破産手続開始申立て・免責許可申立てをして,免責許可決定を得る必要があります。

Q 破産手続をするには,どのくらいの費用がかかりますか。
A 個人の自己破産手続の場合,裁判所に納付する費用は,10万円から20万円とされるのが一般的です。
これについては,裁判所ごとに一定の目安となる運用基準が設けられていますので,弁護士に相談して費用の見通しを立てるのがよいでしょう。
また,そもそも破産手続の費用すら支払えない資産状況の場合,裁判所に納付する費用は,申立手数料(1500円)・予納郵券代(4000円)・官報公告費用(1万5000円程度)のみとなります。実際にも,個人の自己破産では,多くがこのケースに当たります。
破産手続費用に足る財産があるかどうかの判断は,各地方裁判所ごとに目安となる運用基準が設けられていますので,弁護士に相談して費用の見通しを立てるのがよいでしょう。
一般的な基準として,現金・預貯金などを含めた財産が20万円以下の場合には,破産手続費用が支払えない状況にあると判断されることが多いです。
この場合,オーバーローンの不動産や一定年数を経過した自動車などは,資産価値がないと判断されます。
なお,弁護士の費用は,裁判所に納付する破産手続費用とは別にかかります。

1 制度内救済-⑤申請書等の入手方法-

⑤申請書等の入手方法

Q 返還期限の猶予、減額返還、延滞金減免等の機構の奨学金の制度上の救済手段の適用を申し立てる際に、申請書等はどうやって入手することができますか。
また、その際に必要な提出書面等はどうやって知ることができますか。
A

  1. 返還期間猶予制度や新たに出来た減額返還制度については日本学生支援機構のHPから申請書や必要な添付書類、記載見本などが取得できるようになっています。
    日本学生支援機構に直接請求して猶予願等を請求することもできます。
    【奨学金返還期限猶予願・奨学金減額返還願の提出先及び請求先】
    独立行政法人 日本学生支援機構 奨学事業部 返還猶予課
    〒162-8412 東京都新宿区市谷本村町10-7
  2. 返還免除制度についても、機構のHPに説明が出ています。
    ただし、まず猶予をして様子を見るよう言われ、機構が認めない限り申請書を渡さないという不当な扱いがされているようなので、申請書の交付を強く求める必要があります。
    具体的な問合せ先は
    〒162-8412 東京都新宿区市谷本村町10-7 電話 03-6743-6044
    独立行政法人日本学生支援機構 奨学金事業部 返還免除課 となります。
  3. 返還期間変更願についても機構のHPから入手できます。
    問合せ及び提出先は、
    独立行政法人日本学生支援機構 奨学事業部 返還促進課 です。
  4. 延滞金については、その説明だけは機構のHPで見ることが出来ますが、機構の奨学事業部に相談しても申請書類の入手が難しいのが実情です。申請の際に、減免願と事情書・返還計画書の提出が必要になります。